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阪急阪神HD、「大阪新阪急」など6ホテルの営業を終了へ 

 阪急阪神ホールディングス(HD)は31日、新型コロナウイルスによるホテル事業の悪化を受け、傘下の阪急阪神ホテルズが直営する21ホテルのうち、大阪新阪急ホテル(大阪市北区)など6ホテルの営業を令和7年度末ごろまでに順次終了すると発表した。インバウンド(訪日外国人客)の回復が見通しにくく、改善は見込めないと判断した。

 これに伴い、阪急阪神HDは令和3年3月期の連結業績予想を下方修正。最終損益は400億円の赤字と過去最大になる。鉄道各社ではホテル事業の見直しが相次いでおり、コロナ禍の傷痕が深まっている。

 阪急阪神ホテルズは3年度末までに都内と大阪市内計3カ所の営業を終了。6年度末ごろに大阪新阪急ホテル、7年度末ごろに千里阪急ホテル(大阪府豊中市)も閉館する。

 同ホテルズは7年度初めまでに従業員を約800人削減し、1500人規模にする。営業を終えるホテルの従業員は他のホテルなどに配置転換。新規採用を抑えることで規模を縮小し、雇用は続けるという。

 営業終了のホテルで客室数が最大の大阪新阪急ホテルは、東京五輪の昭和39年開業。阪急大阪梅田駅に隣接するアクセスの良さや、家族層をターゲットにしたビュッフェなどで人気を集めていた。だが近年老朽化が目立っていたうえ、コロナ禍前は9割超だった稼働率も2~3割程度にとどまるなど苦境が続いていた。

 阪急阪神HDの大塚順一執行役員は記者会見で、稼働率が堅調で収益力の高いホテルに経営資源を集中させると説明。「インバウンドの回復が遅れても、事業を維持できるようにする」とした。

 他の私鉄では、近鉄グループHDが8つのホテルの売却を決定。京阪HD傘下のホテル京阪もユニバーサル・スタジオ・ジャパン(大阪市)に隣接する1ホテルの営業を5月に終了すると発表した。

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