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旭化成、半導体工場復旧断念も…火災の損傷激しく 供給不足拍車か

 旭化成は、火災で操業を停止している宮崎県延岡市の半導体工場について、既存の建屋の復旧断念を検討していると明らかにした。損傷が大きいためで、今後は新工場の建設も含めて検討する。復旧断念に至れば、半導体の世界的な供給不足に追い打ちをかける可能性もある。

 火災は昨年10月に旭化成グループの「旭化成マイクロシステム」延岡事業所で発生し、5階建ての工場のうち火元とみられる4階部分などの損傷が激しい。旭化成は半導体の代替生産を同業他社に委託し、取引先への供給を続けている。

 工場ではオーディオなどに使う高密度集積回路(LSI)を製造しており、音響メーカーや自動車メーカーなど幅広い業種の製品に採用されている。旭化成は、2021年3月期連結決算に火災関連として176億円の特別損失を計上すると発表していた。

 半導体は、新型コロナウイルス禍でいったん落ち込んだ自動車販売の回復や、第5世代(5G)移動通信システムの普及などで需要が急拡大し、品不足に陥っている。供給面でも混乱が続き、3月には自動車向けで高いシェアを占める半導体大手ルネサスエレクトロニクスの那珂工場(茨城県ひたちなか市)で火災が発生。復旧には3~4カ月かかる見通しで、自動車生産への悪影響が懸念されている。

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【用語解説】半導体の供給不足

 家電製品や自動車など幅広い製品に使われる半導体は「産業のコメ」とも呼ばれ、デジタル化の進展を背景に需要が拡大している。供給面では旭化成やルネサスエレクトロニクスなど国内工場の火災が相次ぎ、2月には米国の寒波で現地の工場が停止するなど混乱が広がっている。かつてに比べ日本の半導体メーカーの競争力は低下しており、安定供給の確保が国家的な課題となっている。

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