建設テックベンチャーとしては初めて東証マザーズに上場したスパイダープラスの株価が好調な滑り出しだ。デジタル技術による事業革新を意味する「デジタルトランスフォーメーション(DX)」関連銘柄として投資家の関心も高く、上場初日の3月30日には公募価格1160円を48.4%上回る1722円の初値が付いた。その後は終値ベースで1600円台で推移している。
同社が開発した建設現場向け施工管理アプリは、あらかじめタブレット端末に取り込むことで、図面や施工現場の写真、検査記録などその場で登録。登録されたデータはクラウド基盤上で管理。複数人で共有できる。
従来の紙ベースでは図面管理などに半日程度かかっていたが、このアプリを使うと1時間程度で済むという。昨年12月現在で約800社が導入。3年間で7倍に増えた。
このアプリは米アップルの基本ソフト(OS)に対応している。同社は上場で得た資金を活用し、アンドロイド版アプリの開発を急ぐ。建設現場には外国人労働者も少なくないことから、多言語化対応も図る。
伊藤謙自社長は「造船や物流倉庫など、現場作業を伴う分野にも水平展開を考えたい」と話している。