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自動運転、レベルよりも「安心」にこだわり

 自動運転をめぐっては、5段階ある技術レベルの向上だけでなく、各レベルの「質」の高度化も重要な課題となっている。高速道路でのハンドル、ブレーキ、アクセルの操作をシステムが支援するレベル2技術は、ドライバーの負担を軽減する効果が期待できる。国内最大手のトヨタ自動車によるレベル2技術搭載車の投入で、競争がより活発になりそうだ。

 「レベル2とか3とかではなく、安心して使ってもらえるかということにこだわった」

 トヨタの前田昌彦執行役員は8日のオンライン会見で、「レクサスLS」と「ミライ」に搭載する高度運転支援システムについて、こう説明した。

 レベル2技術は、日産自動車の「スカイライン」やSUBARU(スバル)の「レヴォーグ」が先行して搭載。今年3月には、高速道路での渋滞時にシステムが車の操作を担い、ドライバーはナビ画面でテレビや動画を視聴できるレベル3技術を搭載したホンダの「レジェンド」も発売された。

 こうした状況のなか、トヨタは「人に寄り添った運転支援」で、まずは高度なレベル2技術で成果を出そうという姿勢を示した。全幅が広い大型車を追い越す際は、右方向に寄って十分な間隔を空けて走行してドライバーの不安を解消。ドライバーが自動運転に過度に依存しない工夫も凝らした。脇見をしていないかなどをカメラが監視し、居眠りしそうだと検知すると、ブザーによる警告やシートベルトの振動などで注意を促す。

 ただ、先端技術を搭載すれば高価格にならざるを得ない。LSは1632万円~で、レジェンド(1100万円)をも上回る。

 自社の高度運転支援システムが社会に受け入れられるかについて、前田氏は「一方的に判断できる話ではない。いろいろな反応をもらってフィードバックしていく」と述べた。(宇野貴文)

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