蔓延(まんえん)防止等重点措置の適用が9日決まった京都府。第3波を乗り越え、大型連休をにらんだ本格的な観光シーズンを目前にした重点措置適用に、京都市内の観光業関係者らは一定の理解を示しつつも危機感をあらわにした。
石畳の道沿いにお茶屋や飲食店が並ぶ祇園・花見小路。3月の桜のシーズンには着物姿の若者などで賑わいを取り戻しつつあったが、この日は、道行く人もまばらで、軒先に「当分の間休業します」との張り紙をする店も見られる。
「お商売にならないよ」とぼやくのは、京割烹料理「祇園たに本」を経営する谷本佳美(よしはる)さん(70)。大型連休を目前にした矢先の措置決定に、「早いとこワクチン接種など対策をしてほしいのに政府は何をもたついているのか」といら立ちを隠さない。
観光名所・嵐山にある嵐山商店街の細川政裕会長(59)も「今は我慢の時だし措置には従いたいが、出口が見えず、不安だけが募る」と漏らす。
土産物店など約100店舗が加盟する同商店街では、5日頃から人出が再び減少している。商店街では休業・撤退の店舗も目立ち、「普通に商売ができる環境に戻れるよう、行政には抜本的な対策を講じてほしい」と訴えた。