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火星ヘリは昼間にしか飛べない その訳は「極寒の夜」

 米航空宇宙局(NASA)の火星探査車「パーシビアランス」から分離したヘリコプター「インジェニュイティ」が近く、地球以外で初めての動力飛行に挑む。夜には飛べない火星ヘリ特有の理由から、試験飛行は火星で昼に当たる時間帯に実施される見込みだ。

 インジェニュイティは6つのリチウムイオン電池を搭載しており、回転翼の上部に設置された太陽光発電パネルから充電される。電力は飛行に使うだけではない。火星の気温は夜間にマイナス90度まで下がることがあるため、内部ヒーターで機体を温めて電子部品が破損しないようにする。

 このため、朝には電力があまり残っておらず、動力飛行に十分な電力が再充電されるまで飛行できない。

 NASAジェット推進研究所で火星ヘリのチーフエンジニアを務めるボブ・バララム氏はブログで、「インジェニュイティは早朝には飛べない。真昼間か午後がはるかに良い」とコメントしている。

 ただ、午後の遅い時間に飛んでしまうと、ヒーターを動かすための電力を再充電する時間がなくなり、極寒の夜を無事に過ごすことが難しくなる。

 飛行中に地面を認識するのに必要な画像センサーが夜間に使えないこともある。

 ヘリは、探査車の腹部に収められた状態で火星に運ばれてきた。火星着陸から約1カ月後の3月21日に保護カバーが外され、それから数日かけて探査車から切り離された。展開されてからヘリが活動可能な期間は火星の30日間(地球の31日間)。最初の試験飛行に成功した場合、高さ5メートルまで上昇する、50メートル離れた場所まで飛んで戻ってくるといった、難易度の高いテストに進む計画だ。

 NASAは10日、初飛行を14日以降に実施すると発表。火星時間の11日昼(日本時間12日昼)としていた予定を延期した。

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