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豪電力大手AGLも石炭発電を分社化、再エネ拡大対応 環境団体は批判声明

 オーストラリア最大の温室効果ガス排出企業である電力大手AGLエナジーは石炭発電部門を分社化すると発表した。再生可能エネルギー拡大に伴う電力会社の経営環境変化に対応する。

 豪州では風力や太陽光による発電量が増加しており、電力価格の低下で同社収益にも影響が出ている。分社化はこうした状況への最も抜本的な対策の一つ。ドイツ最大の電力会社が5年以上前に再生可能エネルギー関連の事業を別会社として上場するなど、環境負荷の高い発電所の分社化は世界的な趨勢(すうせい)に従うものでもある。

 環境保護団体のグリーンピース・オーストラリアのグレン・ウォーカー氏は「老朽化した石炭発電所の資産を別会社に移して不可視化し、閉鎖や修繕に関わる責任を回避する狙いだ。社名が傷つくことを懸念し、国内で温室効果ガスを最も多く排出する企業という評価を隠すのが、分社化の真の狙いとみるべきだ」との声明を発表した。

 AGLによると、分社化は6月末に完了予定。同社のレドマン最高経営責任者(CEO)は3月30日に投資家に向け、「2月の収支報告で、消費者のニーズ、地域の期待、技術の進歩による市場の形成が予想以上に急速に進んでいることを伝えたが、数週間前からはさらに、卸売り電力価格への下押し圧力を伴って、この傾向はますます加速している」と話した。

 AGLエナジーは分社化により、既存の設備を使用し豪州の電力需要の約5分の1に相当する850万キロワットの発電量を持つ「プライムコ(仮称)」と、国内の家庭用電力需要の約3分の1を賄い、同国最大の小売り電力事業者となる「新AGL」を設立する。

 AGLの資産のうち、新AGLは小売りと水力関連、蓄電施設、一部ガス関連部門に加え、再生可能エネルギー発電の合弁事業「PowAR」の株式を引き継ぐ。プライムコは石炭発電所やPowARによる風力発電の周辺事業などを引き継ぐ。

 AGLの2020年の小売市場からの売り上げは19年の75億4000万豪ドル(約6300億円)から76億9000万豪ドルに増加。卸売市場での20年の売り上げは55億6000万豪ドルから43億4000万豪ドルに減少した。(ブルームバーグ Harry Brumpton)

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