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東芝の車谷氏が辞任 悩ましい株主との付き合い方

 東芝の車谷氏が辞任した顛末は、企業経営に対する「物言う株主」の影響力の大きさを印象付けた。企業統治改革が進む中、経営陣はこれまで以上に株主に対する説明責任を求められている。ただ、物言う株主には「短期的な利益ばかりを重視する」との批判も根強く、企業にとって悩ましい存在だ。投資先企業の経営陣に積極的に提言し、企業価値の向上を促す株主を指す。ひと昔前は海外の投資ファンドが日本株を安く買いたたき、株主還元や買収提案を強硬に主張する「ハゲタカ」のイメージが強かった。

 だが、日本でもコーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)や機関投資家の行動指針「スチュワードシップ・コード」が導入され、企業統治改革の流れが加速。株主側の責任も重みが増している。

 コンサルティング会社のアイ・アールジャパンによると、2020年の株主総会で、物言う株主から株主提案を受けた企業は24社と過去最多だった。

 物言う株主による株主提案が可決した事例はまだ数えるほどしかないが、最近は賛成票が集まるケースも出始めた。

 経営トップの交代で、東芝が今後、株主とどう向き合うかも注目される。社長兼CEOに復帰した綱川氏は14日の記者会見で、「コミュニケーションを密に取りたい」と述べ、関係構築に努める考えを示した。

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