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相澤建設/ジンユウ 地方ゼネコン、コロナで多角化裏目

 ▼相澤建設 相澤建設は4月5日、富山地裁に破産を申請した。富山県下の有力総合建設会社で、同社を中核として相澤グループを形成していた。官公庁や民間企業、一般個人などから受注を確保し、注文住宅をはじめ店舗、飲食店、病院、学校など幅広い業種の物件を手掛けていた。

 バブル期の1991年2月期にはピークとなる完工高45億9874万円を計上していたが、以降は景気低迷に伴い右肩下がりで推移し、2020年2月期には完工高18億8034万円にまで減少していた。21年2月期は官公庁発注工事や民間工事などを中心に受注を獲得し、富山県内に現場を多数抱えていたものの、関連会社の不動産事業などに対する資金投下や貸付金などの負担から金融債務の負担が重荷となっていた。

 そうした状況に加えて、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、関連会社が手掛ける温浴施設や焼き肉屋などが影響を受けてグループ全体の業績が急速に悪化。資金繰りも限界に達し、事業継続を断念した。

 ▼ジンユウ ジンユウは3月31日、東京地裁に破産を申請した。飲食業界に特化したインターネットによるBtoBプラットフォームサービス「キッチンブラザーズ」を運営。「飲食店をもっとたのしく、おもしろく」をテーマに掲げて食材生産者や卸売業者と契約し、会員の飲食店向けに食材発注サービスなどを展開していた。

 食材業者と飲食店をサイト上でつなぐビジネスモデルで評価され、相応の知名度を獲得していた。だが資金力に乏しく、開発費負担などの先行投資から財務が悪化していた。

 こうしたなか、新型コロナウイルスの感染拡大で、会員となる飲食店の売り上げが落ち込んだことで業績が悪化し、事業継続を断念した。

【会社概要】相澤建設

 ▽本社=富山市上飯野

 ▽設立=1974年9月

 ▽資本金=3000万円

 ▽負債額=31億5558万円 (2020年2月期決算時点)

【会社概要】ジンユウ

 ▽本社=東京都港区

 ▽設立=2015年5月

 ▽資本金=1億700万円

 ▽負債額=約4億円

 〈チェックポイント〉 相澤建設は関連会社を通じてサービス業などに進出したが、新型コロナウイルス禍に見舞われて共倒れになった。経営のリスクヘッジ効果も見込める多角化経営だが、事業領域を広げ過ぎて経営が散漫になるケースは多い。さらにコロナ禍により経営環境が一転、グループの強みが、逆に足かせに転じる皮肉な結末となった。

 ジンユウは納入業者と飲食店をつなぐプラットフォームの開発ベンチャー。慣習にとらわれないオンライン発注の仕組みや食材情報の提供が売りだったが、乱立する同様のサービスとの差別化が難しかった。開発費用の負担に加え、コロナ禍での飲食店の不振が波及。次の一手を見いだせないまま頓挫してしまった。(東京商工リサーチ常務情報本部長 友田信男)

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