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「あいつは本物だ!」台湾の有名タピオカ店を口説き落とした“元ヤン経営者”の熱いひと言とは (1/3ページ)

 アパレルや水道事業などを経営する関谷有三氏は、タピオカブームの立役者だ。台湾の老舗タピオカ店「春水堂」の日本上陸を実現させたが、交渉し始めた当初は門前払いにあっていたという。なにが春水堂のオーナーの心を動かしたのか-。

 ■台湾出張で感動したタピオカミルクティーの美味しさ

 台湾を調べてみると凄く興味を持った。台湾の人たちは、とてもやさしい。気候もいい。親日の人が多い。水道の事情も日本に似ている。日系の企業も、たくさん進出している。

 水道事業の需要もたくさんありそうだ。気に入って何度も視察のために台湾に行った。行けば行くほど、台湾が好きになっていった。出張から帰国するある日、少し時間があって空港の出国カウンター近くの店で、ある飲み物を口にした。それは、タピオカミルクティー。

 台湾の街では、いたるところでタピオカミルクティーが売られている。女性や子どもが好きな甘い飲み物だ。僕はあまり甘いものを口にしない。決して好きではなかった。けれど、空港にある店は、老舗(しにせ)の有名店のようだ。試してみるか。

 (美味い!!!!! 上品な甘さだ。何より、お茶の香りがいい)

 びっくりするほど感動した。その店は「春水堂」と書いてあった。しゅんすいどう? いや、台湾の読み方だから、チュンスイタンである。

 (今度台湾に来た時、本店に行ってみよう)

 次回の出張で、早速台中にある春水堂の本店に行ってみた。台中は台北から新幹線で約1時間。台湾第三の都市だ。本店はガイドブックにもよく取り上げられている。外観は風格があって厳かな雰囲気だ。そして、きれいでおしゃれそうな店のなかに入った。

 えっ……。

 ■「オーナーに会わせていただけませんか?」

 雷が頭に落ちた。鳥肌が立ち、震えが止まらなくなった。なんだこの見たことのない空間は……。次の瞬間。頭のなかで鮮やかではっきりとした映像が突然広がった。僕が春水堂を日本中で展開しているシーンだ。

 (この店を、俺は日本でやるのか……)

 なぜか……。もはや理屈ではなかった。ここで春水堂について、少し説明しておこう。タピオカは、キャッサバの粉を丸めてゆでた伝統的なスイーツ。それと甘いシロップなどが入ったお茶とを混ぜ合わせ、太いストローで飲むのが台湾のソウルフードともいえるタピオカミルクティー。

 このドリンクを開発したのが、1983年に創業、台湾に50店舗以上ある国民的人気カフェ「春水堂」だ。茶葉の質にこだわり抜いた絶品のアレンジティーとカジュアルな台湾料理、そして上質なインテリアと空間。伝統とモダンのハーモニーが台湾の人々の心をとりこにし、ナンバー1ブランドに上り詰めた。

 世界中にファンも多い。そして、この春水堂。お茶と料理、サービスの質を保つため、あるポリシーをかたくなに守ってきた。春水堂の本店で、「日本での展開」を突然思い描いてしまった僕は、衝動的に店の人に頼んでいた。

 「オーナーに会わせていただけませんか?」

 店の人のあっけない返事は、こうだった。

 「そういう人が世界中からたくさん来ます。全員断れ、と言われています」

 春水堂には、こんなポリシーがあると知った。海外には絶対に出ない。品質を守るため。春水堂のブランドを守るため。海外で半端なことをやられたら、台湾での名声も危うくなるから。しかし、ハイ、そうですかと諦めるわけにはいかない。

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