現場の風

渋谷を起業目指す若者育てる街に 東急不動産執行役員都市事業本部長・鮫島泰洋さん

 --異業種企業が集まり新規事業の立ち上げを促す施設「ニュートラル・イノベーション・ベース」(NIB)を2022年1月に開業する。狙いは

 「当社とスタートアップなど計9社が集まるコンソーシアム(共同事業体)を立ち上げた。東京・渋谷の中心部、『桜丘エリア』にある当社の既存ビルを改修して、コンソーシアムのメンバー企業が入居する。異業種同士の交流の場をつくって新しいビジネスやサービスを生み出すことを支援する施設だ」

 --施設を構想したきっかけは

 「昨年の新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、東急と協力して渋谷にある当社グループのビルに入居する企業約15社に渋谷に会社を構える理由を尋ねた。その結果、エネルギッシュで何が起こるか分からない『ワクワク感』が渋谷の街には存在して、会社を構える動機付けになるとの声が大多数の経営者から上がった。渋谷で事業を拡大してきた企業の経営者や社員たちが、渋谷でビジネスを育ててきたからこそ街に愛着を抱き、渋谷こそが自分たちの働く場所だと思えるような街づくりを目指している。そういう考えを持った人たちを増やしたいと考えたことも、NIBの開発プロジェクトを始めるきっかけだった」

 --開校から数年の高校を運営する企業も参画する

 「新設の高校だが、フィールドワークに力を入れるなどユニークな教育を通じて有名大学への進学者も輩出している。大企業への就職を目指すという考え方もいいことだが、オンラインでいろいろなことができる時代、高校在学中に起業したいという人たちもいる。起業を志す高校生たちが実際に起業している人たちと触れあえる場をつくることは重要だ。施設の運営には高校生たちにも参加してもらう予定だ」

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 さめじま・やすひろ 早大理工卒。1992年東急不動産入社。渋谷再開発事業をはじめ首都圏、関西圏の大規模開発事業を担当。2019年4月、執行役員都市事業ユニット渋谷プロジェクト推進本部長に就任。21年4月から現職。神奈川県出身。

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