そして、運用中のシステムも見直す必要があり、携帯決済やアプリなどから中国製または中国企業が関わる部分を排除する必要がある。これはサーバー側も対応が必要であり、クラウドにアリババや騰訊控股(テンセント)などの中国製クラウドを使うこともできない。企業によっては全面刷新が必要になる。これは米国と同盟国からの中国IT企業の排除といえるものだ。
20年の8月から米国の政府調達に参加の条件として、中国IT関連5社「華為技術(ファーウェイ)、中興通訊(ZTE)、海能達通信(ハイテラ)、浙江大華技術(ダーファ・テクノロジー)、杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)を利用できなくなっている。これが通信分野全体に広がり始めようとしている。当初、米政府は早い段階での利用の中止を予定していたが、現実問題として、置き換える設備が間に合わないなどの問題から5年を目途に達成するとしている。
共同声明でこれに賛同した以上、日本政府としても法整備を含めた対応が必要になる。米中対立はトランプ政権が終われば緩和されるという根拠なき論説もあったが、実際にこれらの対中規制は議会の強硬な働き掛けによるものであり、米国の基本方針は変わらず、より強硬になるものと予測される。
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渡辺哲也(わたなべ・てつや) 経済評論家。日大法卒。貿易会社に勤務した後、独立。複数の企業運営などに携わる。著書は『突き破る日本経済』など多数。愛知県出身。