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宇宙飛行士の星出さん、ラグビー魂で船長の重責に挑む

 宇宙飛行士の星出(ほしで)彰彦さん(52)が9年ぶり3度目の宇宙に出発した。国際宇宙ステーション(ISS)での約半年間の滞在中、日本人で2人目の船長として米欧など計7人のチームを率いる。「クルーや世界中の関係者とスクラムを組み、ISSの先の宇宙探査に向けても挑戦していきたい」と大役に挑む。

 日本人のISS船長は2014年の若田光一さん(57)以来。船長はISS全体の状況を把握し、地上との連絡調整や、火災などの緊急事態に安全対応の指揮を執る重責を担う。

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)の関係者は「誰でもなれるわけではない。高い英語力とコミュニケーション能力があり、多種多様な関係者を上手にまとめられる人物が選ばれる」と話す。

 明るくムードメーカー的な存在で、各国の飛行士の間でも人気がある星出さん。過去の滞在では計21時間超の船外活動をこなすなど技量の高さも折り紙付きだ。自身が目指すリーダー像について「肩ひじ張らず、自分らしくやりたい」と気負わないが、その根幹にはラグビーで培った精神がある。

 慶応大時代にラグビー部に所属し、ポジションはスクラムハーフだった。ラグビー部同期の後藤誠一さん(53)は「パス練習などに真剣に取り組む姿はチーム内でも一目置かれていた。他者の上に立つような振る舞いはせず、いつも人への敬意と気配りを忘れない選手だった」と振り返る。

 長期滞在を機にJAXAが制作したロゴマークもラグビーボール形。「宇宙飛行士は1人では何もできない。大きな方針の中で全体としてのチームワークを上げていきたい」。ラガーマンらしく“ワンチーム”での活躍を誓った。

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