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観光業、今年も厳しいGW 増える休廃業…支援事業も中断続出

 新型コロナウイルスの感染拡大で、観光地は今年も厳しい大型連休を迎えた。政府は停止が続く観光支援事業「Go To トラベル」に代わり、自治体が行う住民向け割引の支援を始めたものの、中断が続出。多くの事業者が窮地に立たされている。一方、客足は地域格差が見られ、予約好調のホテルも。地方は往来活発化で感染が広がることを警戒している。

 冷え込む旅行意欲

 JTBが4月9~14日にインターネットで2万人に行った意識調査によると、大型連休に旅行へ「行く」「たぶん行く」と答えたのは計10.3%。予定がない人の多くは感染拡大を理由に挙げた。調査は緊急事態宣言前のため、旅行意欲はさらに冷え込んでいそうだ。

 蔓延(まんえん)防止等重点措置が適用されている仙台市のあるホテルは、家族連れの宿泊が特に低調といい、担当者は「経営は相当厳しい」。関西の客が多い福井県あわら市の温泉旅館は、一時満室に近かったが、今回の宣言で予約のキャンセルが相次ぐ。おかみは「宿泊がゼロになるかもしれない」と嘆いた。

 観光庁がまとめた宿泊旅行統計では、3月に国内のホテルや旅館に泊まった人の数は前年を上回ったが、コロナ禍前に比べれば低水準だ。帝国データバンクによると、1~3月に休廃業などした宿泊施設は前年同期比35.3%増の46件、旅行代理店は78.6%増の25件で、観光業界の体力は持たなくなっている。

 一方、トラベル事業は停止から4カ月。政府関係者は「宣言で感染者が一時的に減ったとしても変異株で再拡大の恐れがある。ワクチン接種が広がるまで再開は難しい」と説明する。

 政府は住民向けの旅行割引を実施する都道府県には補助金を出すとしている。しかし群馬、石川、福井、岡山、香川、長崎、熊本などが割引停止や開催延期を決めた。各県で感染者が増えているためだ。徳島は最大1万円を補助する事業を今月25日に全て停止。宮崎も「県内各地に感染が拡大しかねない」(河野俊嗣知事)として23日予定の開始日を先送りした。

 地方は脱出組を警戒

 もっとも長引く自粛疲れもあり、昨年の大型連休と比べると旅行者は多い。温泉旅行などを扱う予約サイト「ゆこゆこ」によると、期間中の予約数は19年の半分だが20年比は12倍。北海道や北関東などは特に多く、長野や新潟方面の予約は10~20%程度が都民という。

 沖縄県石垣市のホテル「サード石垣島」は今回の宣言で解約も出たが、すぐに予約が入り空室は埋まりつつある。首都圏や関西の客が目立ち、担当者は「平時は海外旅行する客層が訪れ、島全体でも多い印象」という。

 宣言対象地域は百貨店や娯楽施設が休業で利用できず、逆に地方を旅行する人が増える可能性も指摘されており、美術館やロープウエーといった公共施設を閉める自治体も多い。

 感染拡大地域との往来を控えるよう、東北6県などと共同で呼び掛けている新潟県の担当者は「コロナ慣れもあり、宣言地域から脱出する動きがないとも限らず、人の動きを抑えられるかどうか分からない」と話した。

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