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東京五輪「あまり影響ない」5割、巣ごもり需要には期待 主要企業アンケート (1/2ページ)

 産経新聞社が行った117社の企業アンケートでは、今夏に予定される東京五輪・パラリンピックと国内景気の関わりについては、「あまり影響はない」との回答が5割弱を占め、「景気を刺激する」との回答を10ポイント超上回った。海外客の受け入れ断念などを受け、多くの企業は五輪の景気刺激効果は限定的とみている。企業側にはテレビ観戦といった「巣ごもり」に関連する需要への期待もあるが、アンケート結果からは新型コロナウイルス感染症の影響が避けられない開催への戸惑いも感じられた。

個人消費には「プラス」

 国内景気にあまり影響がないと答えた企業の多くが「海外観光客の受け入れを見送る方針のため、五輪開催に伴う関連需要は大きくならないとみる」(金融)といった理由をあげた。

 それでも地元開催ということもあり、東京五輪の注目度は高い。テレビなど「個人消費にはプラスに作用する」(商社)といった声や、テイクアウトや家庭内での飲食などの需要が伸びて「(景気を)刺激する」(外食)といった期待感も企業側にはある。「感染拡大につながり景気を下押しする」と答えた企業はなかった。

 ただし国内景気への影響について、分からないなど「その他」を選んだ企業も約14%に達した。大会組織委員会などは観客数の上限を6月に決定する見込み。感染の状況によっては無観客も現実的な選択肢として強まっており、「不確定要素が多く判断できない」(外食)といった指摘も多かった。

 野村総合研究所の木内登英氏は「五輪関連の経済効果はスタジアム建設など全体で8兆円程度と試算され、開催時の(飲食や宿泊といった)効果は2兆円。つまり全体の4分の3の効果はすでに出ており、開催自体の国内経済への影響は限定的だ」と分析。多くの企業も同様の見方をしているようだ。

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