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トヨタなど3社が軽EV開発 車両の一部共通化、開発費抑制し効率化

 トヨタ自動車とダイハツ工業、スズキが軽自動車を含む小型の電気自動車(EV)の共同開発を進めることが2日までに分かった。世界的に環境規制が強まる中、効率化を図り、競争力を高めるのが狙い。開発は巨額投資が必要な半面、市場の成長速度が見通しづらく、自動車業界では合従連衡の動きが加速している。

 ダイハツとスズキは2020年度の軽の新車販売で首位と2位。2社で軽全体の60%以上を占める。これまでしのぎを削ってきたライバルだが、EVではトヨタを中心に連携する。トップ2社の参入で軽EVが普及する可能性がある。

 トヨタは脱炭素の一環として、ハイブリッド車(HV)や水素で走る燃料電池車(FCV)と並ぶ電動車としてEVの品ぞろえを強化する。ダイハツはトヨタの子会社で、スズキはトヨタと株式を持ち合う。3社は車両の一部を共通化するなどし、開発費用を抑える。電気で走行する技術に優れたトヨタと、軽開発に強みがあるダイハツ、スズキが協力する。

 軽はユーザーが低価格を求める傾向が強く、EV投入は遅れている。一方で、短距離での移動に使われることが多く、EVの弱点である航続距離の短さが問題になりにくい側面もある。

 脱炭素が世界的な潮流となる中、EV開発は自動車メーカーにとっては急務だ。ただ、急速充電器などの整備は不十分な上、車両が高価で思ったより売れず、投資を回収できないリスクもある。「(最大手以外の)小さいメーカーだけでは参入が難しい」(中堅メーカー)ため共同開発に踏み切ったとみられる。

 日本国内の軽市場は大きく、メーカーは相次いでEV発売方針を示している。日産自動車と三菱自動車は23年度までに共同開発車両を発売し、ホンダも24年に投入する予定だ。これまでは軽ベースの三菱自のEV「アイ・ミーブ」などがある。

 世界的に見てもEV開発コスト削減のための協業が進む。ホンダは米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)と提携し、EVを北米で販売する計画を示している。

【用語解説】軽の電気自動車(EV) 車載電池でモーターを回して走る軽自動車。走行時に二酸化炭素(CO2)を排出しないため、再生可能エネルギー由来の電気を使えば、排出ゼロに貢献すると期待されている。現状では充電に長時間が必要な点や、充電設備が町中に少ないという短所がある。電池の価格が高く、ガソリン車よりも高価になりやすい。軽自動車では大きな電池を積めず、1度の充電で走れる航続距離が短くなると想定されている。

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