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埼玉県産食材の底力、全国へ発信 食王・田中利幸代表社員に聞く

 2018年3月に設立された食品開発・販売の食王は、添加物を一切使用しない独自調味料の品ぞろえを強化。今春には第5弾として地元・埼玉県産食材を生かしたペースト状の万能調味料「こりゃヤバイ埼玉」を発売した。61歳で起業した田中利幸代表社員は「県内の工場も商品化に協力してくれた。食材とあわせて埼玉のオンパレード」と目を細める。自慢の商品を手にビジネスフェアなどに出向いて販路を開拓、埼玉から全国を目指す。

 --販売している調味料は

 「調味オイル『王冠の雫』シリーズの『琥珀(こはく)』『瑪瑙(めのう)』『翡翠(ひすい)』と調味料『こりゃヤバイ』は健康長寿の島といわれ、食の宝庫でもある徳之島(鹿児島県)の厳選食材との出合いをきっかけに生まれた。試作を繰り返しながら2年間かけて、製造時に添加物を加えなくても『こんなにおいしい』調味料を完成させ、20年1月に発売。続いて今春、こりゃヤバイ埼玉を商品化した」

 --埼玉にこだわった理由は

 「埼玉県産食材の底力を全国に知ってもらうため。低温熟成させた徳之島のキハダマグロや鰹、北海道の昆布、淡路島(兵庫県)のタマネギなどを除いて深谷ネギ、川越のサツマイモ、越生・毛呂山のユズ、行田の有機古代米、小川町の酸化防止剤不使用の赤ワイン、狭山茶といった県産食材を使用した」

 --県内企業も力を貸してくれた

 「アクアデザイン(さいたま市)は抗酸化性を高めるオイルを低分子化、キサイフーズ工業(加須市)は添加物不使用の商品開発に協力してくれた。そのおかげで5商品とも保存料、酸化防止剤を使用せずに開発できた。また都平昆布海藻の浦和工場(さいたま市)はうま味に使用する乾物のサンプル提供と昆布、かつお節を、米澤製油(熊谷市)は薬品類を使わない菜種油を、井上スパイス工業(上尾市)はガラムマサラをそれぞれ供給してくれた。昨年3月から試作を開始し25回もレシピを書き直してやっと納得できる味にたどり着いた」

 --開発資金はどうやって調達したのか

 「(不特定多数の人からインターネットを通じて資金を調達する)クラウドファンディングを活用した。健康を考えて『食材をおいしくする調味料ではなく、食材そのものの味を引き出す』をコンセプトに開発したため、市場で受け入れられるどうかの反応を確かめたかった。19年10~12月に実施したところ、10万円の目標に対し177万円が集まった。この資金をもとに同埼玉を商品化した」

 --市場の評価は

 「使い方が分からないという声を聞くのでレシピ集を作ったりして使い方を伝えるのが普及の原点。一口食べるとさまざまな食材の味わいが重なり合うので、ご飯や豆腐などにそのまま乗せて食べたり、ケチャップやマヨネーズに混ぜて揚げ物や炒め物を食べたりするのがお薦めだ。日本酒や焼酎のつまみにもあう。ビジネスフェアなどに出て百貨店のバイヤーなどに声をかけコラボレーション商品の開発につなげたい。日本航空の通販サイト『JALショッピング』で商品動画が配信されているのも追い風だ。ユニヴァ・マルシェが運営する食品宅配・通販サービス『ユニマルシェ』で5月から翡翠が扱われるので知名度アップを期待している」

 --今後の展開は

 「同埼玉は吉野製麺(行田市)で、われわれが監督管理・指導しながら小規模生産しているが、近く全てを任せられるようになる。その他の商品は徳之島で生産している。販売が増えていくと新たに生産委託先を探さなければならなくなる。そのときはキサイフーズの親会社、池田糖化工業(広島県)の系列会社に依頼する考えだ」

【プロフィル】田中利幸 たなか・としゆき 1980年武蔵野音楽大学音楽学部声楽科卒。86年イタリア・ミラノに留学、93年ミラノで日本人のためのイタリア料理教室を開校し94年帰国。95年イタリア料理教室「田中イタリア料理教室」を開校、2018年3月食王を設立し代表社員。64歳。埼玉県出身。

【会社概要】食王

 ▽本社=埼玉県行田市長野1-28-7

 ▽設立=2018年3月16日

 ▽資本金=300万円

 ▽従業員数=2人

 ▽事業内容=食品開発・販売など

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