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ブルーライトカット眼鏡は逆効果、「小児の発育に悪影響」眼科学会が危惧

 公益財団法人日本眼科学会は、小児に対する市販ブルーライトカット眼鏡の効果について疑義を呈する意見を公開した。

 近年はスマートフォンなどのデジタル機器の普及に伴い、ディスプレーから発せられるブルーライト(波長380~495ナノメートル前後の青色成分)をカットするための眼鏡が広く販売され、睡眠障害や眼精疲労の軽減、眼球への障害の予防がうたわれている。

 日本眼科学会によれば、体内時計とブルーライトの関係については、いくつかの論文が出ており、夜遅くまでデジタル機器の強い光を浴びると、睡眠障害を来す恐れがあり、夕方以降にブルーライトをカットすることには一定の効果が見込まれる可能性があるとする。

 しかし、その他の効果については科学的根拠が乏しく、一部で小児へのブルーライトカット眼鏡の装着を推奨する動きがあることについて、参考文献などを引用して以下の問題があると指摘している。

 (1)デジタル端末の液晶画面から発せられるブルーライトは、曇天や窓越しの自然光よりも少なく、網膜に障害を生じることはないレベルであり、いたずらにブルーライトを恐れる必要はないという報告がある。

 (2)小児にとって太陽光は、心身の発育に好影響を与えるもので、十分な太陽光を浴びない場合、小児の近視進行のリスクが高まる。ブルーライトカット眼鏡の装用は、ブルーライトの曝露(ばくろ)自体よりも有害である可能性が否定できない。

 (3)最新の米国一流科学誌に掲載されたランダム化比較試験では、ブルーライトカット眼鏡には眼精疲労を軽減する効果が全くないと報告されている。

 (4)体内時計を考慮した場合、就寝前ならともかく、日中にブルーライトカット眼鏡をあえて装用する有用性は根拠に欠ける。産業衛生分野では、日中の仕事は窓際の明るい環境下で行うことが勧められている。

 日本眼科学会は、以上のことを踏まえ、小児に対してブルーライトカット眼鏡を装着させる根拠はなく、むしろ発育に悪影響を与えることを危惧していると表明している。(インプレスウオッチ)

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