テクノロジー

飛沫感染防止の空調システム開発 栃木の田崎設備

 工場内の温度や湿度、圧力を一定にする空調設計の田崎設備(栃木県真岡市)は、新型コロナウイルス対策に悩む医療機関や県の要請を受け、PCR検査を行う医療従事者をウイルス感染から守るブースを開発した。さらに、工場内の有害物質を排出する「プッシュプル型」換気装置を応用して、診察室内での飛沫(ひまつ)感染を防ぐ空調システムを開発し、今月中旬から発売する。

 最近の研究では、密閉された空間ではコロナウイルスの飛沫が空気中に漂い、感染源になることがあるとされる。医療機関ではクラスター(感染者集団)の発生を避けようと、適切な換気や温熱環境の確保に関する基準づくりを進めており、同社の空調システムは感染リスクの低減に役立ちそうだ。

 同社は、ちりやほこりを防ぐクリーンルームの設計に知見がある。昨年5月、県立がんセンターから依頼され、PCR検査ブースの開発に着手。細かな粉塵を捕捉したり、ウイルスを不活性化したりする3種類のフィルターを通すことで、清潔な外気を取り入れるブースを完成させた。同センターでは昨年10月から、ブースに入った医療従事者が被検査者に直接触れずにPCR検査を行っている。

 同社の田崎利也社長は、医療従事者との面談を通じ、密になりがちな診察室の実態を知った。多くの医療機関では、受付にシールドを設け、医師・看護師がマスクやゴーグルをつけて対応するほか、換気扇、窓を開けるなどの室内換気に最善を尽くしているが、コロナ感染の疑いがある患者との接触による感染の可能性をゼロにできない。

 田崎社長は、工場で有機溶剤などを使用する際に発生する有毒ガスを換気するプッシュプル型装置を応用することを思いついた。

 この装置は、有害物資の発生源を挟んで、吹出し用と吸い込み用の2つのフードを向き合って設置。一定方向の風の流れをつくり出して、有害物質が工場内に拡散することを防ぐ仕組みだ。

 同社は、小規模の施設でも設置できるようフードの厚さを従来装置の半分の約30センチに改良したほか、一定方向に均一の弱風を出す技術を開発。この装置を設置すれば、窓のない診察室や待合室でもウイルスを拡散しないで室外に放出することができる。

 田崎社長は「新型コロナの感染が収束しない中、医療従事者の方が安心して活動できるようになれば」と話している。(鈴木正行)

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