サービス

航空人材を自動車産業へ 行政が出向・移籍後押し

 新型コロナウイルス流行で大打撃を受けた航空産業の人材を、需要回復が力強い自動車産業で受け入れる動きが加速している。両産業が集積する中部地域では中部経済産業局が人材マッチング事業を始め、出向や移籍を後押しする。

 ミニバンなどを製造するトヨタ車体(愛知県刈谷市)では、昨年11月に航空関連企業からの出向受け入れを始めた。現在200人以上が生産現場で働く。国産初のジェット旅客機スペースジェット事業を凍結した三菱重工業や、航空機部品の川崎重工業など約10社が派遣。担当者は「人が足りていないので大変ありがたい」と話す。

 車内外装の豊田合成も、今年2月に三菱重工の出向者を事務系職場で受け入れた。

 旅客数が過去最低に落ち込んだ中部国際空港会社(愛知県常滑市)は、免税店で勤務するグループ会社社員をトヨタ自動車系の自動車販売店などに送り出している。

 出向加速の背景には、自動車産業の急回復がある。トヨタの世界生産は昨春に前年比で半分まで落ち込んだが、中国市場の回復などで昨秋以降は前年超えで推移。取引先の多くの企業が息を吹き返した。

 両産業の雇用のアンバランスに着目した中部経済産業局は昨年7月に人材マッチング事業を開始。送り出したい企業と受け入れたい企業双方の希望を調査し、関連機関と連携して最適な会社を紹介する。これまでに170人以上の航空人材のマッチングが成立した。

 畠山一成局長は「コロナが収束すれば航空産業は伸びていく。人材を確保し需要が戻ったときに対応できるようにすることが大事だ」と強調する。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus