イメージコミュニケーション本部主幹 家塚賢吾さん
--7月下旬に新製品としてミラーレスカメラ向けの新たなマクロレンズを投入する
「中望遠レンズの『RF100mm F2.8 L MACRO IS USM』で、専門的になるが撮影倍率を最大1.4倍にしたことで、迫力のある描写ができるほか、花などの肉眼ではとらえるのが難しい細部の表現が可能になる。またレンズにあるリングを回転させることで、ボケ状態を変化させることができ、多彩な表現が可能になっている」
--このレンズを開発した経緯は
「レンズの開発の順番は、最初は当社の光学技術をアピールできる製品、次はプロ向け、ハイアマチュア向けのレンズをそろえるという順番。以前、85ミリのマクロレンズを開発したが、もっと被写体に寄れて、大きく写したいというニーズがある。気持ち良く高解像度のままオートフォーカスができる」
--今後のミラーレス向けレンズの展開は
「(ミラーレスでない)一眼レフカメラは(フルサイズで)約50種類のレンズがあるが、ミラーレスはまだその半分くらい。基本的なところはそろえていきたいが、単なる一眼の置き換えだけでなく、撮影意欲をかき立てる、そういう工夫の感じられるレンズを出したい。手持ちで撮れる800ミリレンズを昨年に出したが、『こんなレンズが出るとは思わなかった』と言われた。プロからアマチュアまで楽しめるものを出したい」
--どんなブランドとして育てていくか
「ミラーレスはもっと表現力高く発展できる可能性がある。昔のカメラは被写体のまつ毛にピントを合わせながらいい表情を狙っていたが、今はカメラが瞳にピントを合わせてくれる。レンズ交換式カメラに興味がなかった人にも訴える表現力の高いレンズを出していきたい」
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【プロフィル】家塚賢吾 いえつか・けんご 1991年キヤノン入社。レンズの事業企画業務を経て、レンズ交換式カメラ「EOS」交換レンズの商品企画を担当。手ブレ補正双眼鏡シリーズの商品企画も兼務。