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自動車決算3社が赤字 3年3月期 半導体不足で減産続く

 自動車大手7社の令和3年3月期連結決算が14日、出そろった。新型コロナウイルス感染拡大の影響で全ての社が減収となったが、ホンダは営業、最終ともに増益。トヨタ自動車とスズキが最終増益を確保した。日産自動車と三菱自動車は営業、最終ともに赤字。マツダも最終赤字となり、コロナ禍からの回復の差が鮮明になった。

 4年3月期は6社が増収を見込み、トヨタとSUBARU(スバル)が増益を予想。ホンダは本業のもうけを示す営業利益で前期並みの6600億円の確保を、マツダと三菱自は黒字転換を予想する。日産は世界的な半導体不足や原材料価格の高騰の影響で、3期連続の最終赤字は避けられない見通しだ。スズキは主力市場インドでのコロナ感染の急拡大を踏まえて業績予想を見送った。

 世界的な半導体不足の影響を受けた3年3月期の減産台数は、マツダで1万台、スバルで6万1千台、ホンダでは10万台に上った。4年3月期には、日産が25万台規模、三菱自も4万台の減産を見込む。ホンダの倉石誠司副社長は14日のオンライン記者会見で「上期に影響は続くが、年度で相殺できる」と説明した。

 インドではコロナ感染の急拡大で工業用の酸素が医療用に回されており、スズキは現地の四輪車工場を16日まで稼働停止。ホンダも二輪車工場を15日まで、四輪車工場を18日まで停止する。

 国軍クーデターによるミャンマーの政情不安が長期化すれば、業績に影響するリスクもある。

 トヨタは今年2月に予定していた新工場の生産開始ができないでいる。スズキも2工場が稼働を停止し、9月に予定していた新工場の生産開始も「常識的に考えて難しい」(鈴木俊宏社長)状況だ。

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