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携帯3社増収増益も 値下げ影響回避へ苦悩

 携帯電話大手3社の令和3年3月期連結決算が14日、出そろった。コロナ禍の影響も限定的で3社とも増収増益だった一方、4年3月期は政府主導の携帯電話料金の値下げが直撃する。あらゆる機器を通信でつなぐ「IoT」の利用拡大が見込まれる法人向けや金融といった非通信事業を強化しつつ、販売網の見直しなどでコストを削減するなど、あの手この手で収益源の多角化を目指す。

 「auの(主力プラン契約者の)約10%がオンライン専用プランや格安ブランドに移行するとみている」

 14日に記者会見したKDDI(au)の高橋誠社長はこう述べた。KDDIとソフトバンクはオンライン専用プランについて、4年3月期に600億~700億円の減益効果を見込む。

 大手3社は3月中にデータ20ギガバイトで月額3千円前後のオンライン専用プランを開始した。KDDIやソフトバンクは格安ブランドでも値下げを実施している。

 主力の大容量プランは月額約5千~7千円前後で、利用者の流出は収益悪化に直結する。補うには他社から顧客を獲得するしかないが、似通ったプラン内容で差別化が難しいのが現状だ。調査会社のMM総研によると、オンライン専用プランの利用希望者のうち約7~8割は、現在契約している通信会社のプランを選ぶとしている。

 苦境の通信事業に代わって各社が注力するのが第5世代(5G)移動通信システムの活用が期待される法人向けのデジタル化支援だ。高橋社長は「鉄道にこだわってエリアの拡大を進めている」と述べた。

 個人向けの金融も成長領域の一つ。ソフトバンクはスマートフォン決済「ペイペイ」で加盟店手数料の有料化なども検討する。

 契約手続きのオンライン化などで販売コストの削減も進める。NTTドコモは販売代理店に対する端末の卸売価格を高く設定。一方で契約実績に応じた手数料を厚くすることで契約数や端末販売数の増加を目指す。

 主に回線契約数で競ってきた3社は非通信分野でも争いを本格化させる。“場外乱闘”気味な競争の行方が業績の明暗を分けることになりそうだ。

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