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韓国、2030年までに半導体49兆円投資 米中覇権争いに官民で名乗り

 韓国政府は13日、約4500億ドル(約49兆3200億円)を投じ、10年間で世界最大の半導体製造拠点を築くとする計画を発表した。米国と中国が繰り広げる世界の半導体覇権争いに同国も参戦する。

 サムスン電子とSKハイニックスは文在寅(ムン・ジェイン)政権が立案した国家の青写真に基づき、2030年までに実施する半導体の研究・生産への巨額投資を主導する。両社を含む153社が今回の取り組みを後押しし、韓国経済で最も重要な産業を守ることを目指す。

 サムスン30%増額

 文大統領は13日、ソウル南部にあるサムスン電子の工場を訪問し、半導体幹部らから説明を受けた。同社は30年にかけての投資を30%増やして1510億ドルとする。SKハイニックスの朴正浩・共同最高経営責任者(CEO)は、同社が龍仁市の4つの新工場に1060億ドル、既存施設の拡張に970億ドルを投資すると述べた。

 産業通商資源省(MOTIE)によれば、韓国政府はソウルの南部数十キロメートルに広がる、半導体の設計、製造、供給を網羅した「K半導体ベルト」の構築を目指している。企業に限らず各国・地域の間で優れた技術をめぐる競争が激化する中で、同省は半導体を「戦略兵器」と呼んでいる。

 同省によると、半導体は韓国の輸出の最大シェアを占め、30年までに輸出額は2000億ドルに倍増する見込みだ。

 世界的な半導体不足で自動車やスマートフォン産業などが打撃を受け、米国や中国、欧州連合(EU)が半導体製造能力の強化に全力を挙げている。

 一方、米国の安全保障の同盟国であるとともに、主な対中輸出国である韓国は、自国製造を強化する半面、米中両国の狭間で難しい立場に置かれている。

 サムスンとハイニックスは半導体のうちメモリー分野では世界シェアの50%超を握っているものの、ロジックの生産能力では台湾積体電路製造(TSMC)などに後れを取っている。サムスンは同分野での競争力向上を目指し、米エヌビディアの画像用演算処理装置(GPU)の受託生産を行うほか、米クアルコムのモバイル向けの受託生産の拡大を目指す。ハイニックスもロジック分野への参入を表明している。

 水や電力供給強化

 MOTIEによると、政府は減税、金利優遇、規制緩和、インフラ強化などで国内半導体産業をてこ入れし、先行するTSMCなどとの差を縮めたい考えだ。政府は半導体クラスター(集積地)工業団地など対象地域で今後10年、十分な量の水を確保するほか、電力の供給強化を目指す。

 韓国の計画は世界各地で進められている取り組みと軌を一にする。バイデン米大統領は米国の国内製造力強化の一環として、半導体の製造と研究に500億ドルを振り向ける計画を示している。中国も欧米製技術への依存脱却を目指し、国内の半導体産業育成に数千億ドルを投じている。

 さらに韓国は海外からの先端技術への投資誘致拡大も目指している。同省によると、オランダの半導体製造装置大手ASMLは華城市に人材育成拠点を建設する意向で、米同業ラムリサーチは韓国での生産能力を倍増させる計画だという。

 韓国は直接的な支援として、22年~31年に3万6000人の半導体設計技術者の育成を支援し、半導体の研究開発に1兆5000億ウォン(約485億円)を拠出する。さらに半導体産業支援に向けた法整備を急ぐ。(ブルームバーグ Sohee Kim、Sam Kim)

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