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リリーメドテック、乳房用画像診断装置を発売 超音波使い患者の検診負担軽減

 東京大学発医療機器開発ベンチャーのリリーメドテック(東京都文京区)は、創業以来開発を続けてきた乳房用画像診断装置が完成、販売を始めた。医薬品医療機器総合機構(PMDA)から医療機器製造販売認証を4月28日付で取得している。

 この装置「ココリー」は、東隆最高技術責任者(CTO)が、東大大学院教授時の研究成果である超音波を使った画像診断技術をベースに開発された。装置の直径30センチほどの穴の中に乳房を入れた状態でうつぶせになる。するとリング状の超音波送受信機が上下に動きながら乳房を3次元(3D)撮像する。

 乳がん検診ではマンモグラフィーを使うのが一般的だが、2枚の圧迫板で乳房を挟むため痛さを伴う上、放射線による被曝(ひばく)のリスクもある。また乳腺と腫瘍がともに白く写るため、医師にとっても経験を積まないと判別が難しいなどの課題がある。

 この装置を使えば、患者のがん検診の負担も軽くなり、医師にとってもがんの見落としリスクを減らせる可能性がある。装置の開発に当たっては、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の研究開発型スタートアップ支援事業に採択、助成を受けた。

 リリーメドテックは2016年5月、大手メーカーで医療分野で超音波の研究に携わった東志保社長が起業した。

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