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大企業特許を中小が活用 先端技術と伝統工芸融合

 大企業の眠った特許を中小企業の商品開発に生かしてもらおうと、近畿経済産業局がマッチング事業を開始して今年で10年となる。最近は地元の中小企業の実情に詳しい信用金庫との連携を強化し、大企業の先端技術と伝統工芸が融合する事例も生まれている。

 京扇子を手掛ける「京風庵大むら」(京都市)は、若者向けに持ち手部分が金属製の新商品を企画。新型コロナウイルス流行を機に抗菌加工技術を探していたところ、京都信用金庫を介して神戸製鋼所の抗菌めっき技術にたどり着いた。

 「令和鉄扇プラスアルファ」と名付けて3月に百貨店での販売を始めると、同社の売上高を前年同月の約3倍に押し上げるヒット作となった。大村豪社長は「オンリーワンの商品ができあがった」と喜んだ。

 大企業は年間数百件程度の特許を出願するが、事業化されずに休眠状態となっている技術も多い。近畿経産局の事業では、第三者に使用を認める「開放特許」を大企業から募集し、現在は37社が登録。仲介料は不要で、特許の保有企業と個別にライセンス契約を結ぶなどして利用料を支払う。

 成立事例は年間数件と少ないが、近畿経産局の担当者は「今後は日本貿易振興機構(ジェトロ)などとも連携し、販路開拓などマッチング後のフォローをしていきたい」と意気込む。近畿各地の金融機関とも協力し、中小企業の技術革新を促したい考えだ。

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