--メンズスキンケア分野に着目した経緯は
「会社の経営者だった両親の影響もあり、小学生ぐらいから自分も将来、起業しようと思っていた。メンズスキンケア分野は国内や海外を見渡してもダントツのシェアを取っているブランドがなく、新たに日本から始めて世界で戦える事業分野だと考えたからだ」
--2020年の売り上げは前年比150%増と好調だった。ブランド力の源泉は
「大事にしているのは2点。商品に含まれる成分が肌に良いことを科学的に示すことと、『Wowファクター』と呼んでいる使用時のサプライズ感だ。例えば、当社の洗顔料は他の男性用化粧品より泡立ちが圧倒的に良いものを作っている」
--新型コロナウイルス禍で生活様式も大きく変わってきた。事業への影響は
「昨春の緊急事態宣言下では、テレワークが普及し、改めて画面上で自分の顔を見る機会が増えたこともあって、売れ行きは比較的好調だった。ただ、年明けの緊急事態宣言以降は、消費意欲が少し減ってきた印象だ」
--すでに11の国・地域に展開。海外進出も加速しているが戦略は
「商品開発を一番大事にしている。吟味した普遍的に良いと考える商品のみを出しているので、各国とも同じ商品で勝負して手応えを感じている。しっかり保湿し、肌をケアするというスキンケアの本質に差はない」
--中長期的な目標や展望は
「国ごとにインターネット上の検索で使われるプラットフォームは違うが、マーケティングの本質は変わらない。強みであるデジタルマーケティングや数値管理にもこだわり、世界ナンバーワンのメンズスキンケアブランドになるべく、シェアを追求していきたい」
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のぐち・たくや 慶大環境情報学部中退。ITベンチャーなど複数の企業を立ち上げ、2013年4月にTSUMO・JP株式会社BULK HOMME(バルクオム)事業部を発足、メンズスキンケアブランド「BULK HOMME」を立ち上げ。組織再編を経て、17年5月に株式会社バルクオムを設立し、現職。東京都出身。