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印のルノー日産工場、コロナ下の操業で労使対立 法廷闘争に

 インドで新型コロナウイルスが猛威を振るう中、日産自動車と仏ルノーのインド合弁会社、ルノー日産オートモーティブインディアは、ロックダウン(都市封鎖)下にある南部タミルナド州のチェンナイ工場の操業停止を求める労働組合と法廷闘争を繰り広げている。ロックダウン下での生産活動の難しさを象徴する出来事だ。

 同工場はロックダウンの適用除外となっているが、一部の従業員は感染懸念を理由に作業の拒否を示唆している。

 労組は同社とタミルナド州への裁判所命令を求め、マドラス高裁に申し立てた。同工場を除き同州で厳しいロックダウンが課されている中で、現場労働者が作業を続ければ健康や福利を損なう恐れがあると訴えている。

 ルノー日産側は作業シフトの人数を減らすなど必要な予防措置は全て講じていると主張した。

 同高裁は24日、「雇用主のルノー日産と従業員の間でいくらか緊張が高まっているようだ。自分たちの懸念が考慮されない場合は製造部門で作業しないとの遠回しの警告などがこれに含まれる」と説明した。次回審理は31日の予定。

 ルノー日産の広報担当は「当社従業員の健康と安全性はわれわれの最大の関心事であり、当社は安全な労働環境に必要な全てのルールと規制を順守している」とした上で、「裁判が進行中のため、コメントはできない」と述べた。

 同社の労使対立は、世界で最も速いペースで新型コロナの感染が拡大しているインドで、経済的利益と公衆衛生のバランス確保に四苦八苦している企業や自治体が置かれている厳しい状況を浮き彫りにしている。

 厳しいロックダウンは経済減速や雇用削減のリスクを高めている。一方で工場の稼働継続を容認することは新たな感染急拡大につながる。各州政府は、必要不可欠と見なす一部部門については特例としてロックダウンの対象から除外している。

 新型コロナの感染急拡大は自動車業界に甚大な影響を与えている。最大手マルチ・スズキは生産能力を半減。二輪世界最大手ヒーロー・ホンダは先月、全生産拠点での操業を一時的に停止したと発表した。(ブルームバーグ Upmanyu Trivedi、Ragini Saxena)

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