金融

世界の金融当局、バブル予兆を探知 熱狂的リスクテークに警鐘

 世界は前例のない危機の最悪期を何とか乗り切っているが、金融当局者は次の危機が間近に迫っているのではないかと既に考えを巡らせている。

 当局者は複数の資産市場に見られる熱狂的なリスクテークが、世界の景気回復を損ないかねない不安定な相場下落の予兆ではないかと問い掛け、米欧で数カ月前に広がり始めた懸念のささやきが合唱に変わってきた。

 先週には欧州中央銀行(ECB)とカナダ銀行(中央銀行)が2008年の金融危機時に生じた相場下落を踏まえ、リスクの高まりに言及した。また、暗号資産(仮想通貨)をめぐる中国人民銀行(中銀)の警告後にビットコインが見舞われた劇的な相場変動は、一部の市場がいかに敏感になっているかを示した。

 バブルのリスクについて米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長らは抑えられたままだと主張するが、各国・地域の金融当局の悲観主義者らは株式から不動産までほぼ全ての分野で探知できるとする。

 HSBCホールディングスのストラテジスト、マックス・ケトナー氏はブルームバーグ・テレビとのインタビューで「熱狂は成長への期待に関してより大きい」とした上で、「特に米国で成長をめぐる期待が相当な水準に達しており、それは熱狂だろう」と語った。

 ECBは19日、グリーンスパン元FRB議長がインターネット・バブル破裂前の1996年に使った「根拠なき熱狂」という言い回しを踏まえて「熱狂」という言葉を使っていた。

 ECBは米株式相場の調整などから経済に影響が波及するリスクを警戒。カナダ銀行の当局者もその翌日に同様の懸念を示し、値上がりが続くとの期待から購入意欲が高まっている住宅市場に言及した。

 約3週間前には米金融当局の会合で安定性が議題になり、参加者はリスク許容度の「高まり」を確認するとともにヘッジファンドの活動で生じたリスクについて協議した。その後の報告書で米金融当局は企業の高水準の負債とともに米金融システムの「脆弱(ぜいじゃく)性」と「高いバリュエーション」に警鐘を鳴らした。

 最近ではイングランド銀行(英中銀)のベイリー総裁が、株式やビットコインへの投機それ自体が「警告のサイン」ではないかとの見解を示した。ノルウェーの当局者も金融機関で仮想通貨へのエクスポージャーが引き続き高まれば、仮想通貨のボラティリティー(変動性)は銀行システムにとって脅威になり得るとの認識を示した。

 3月には中国の銀行当局者トップが不動産投資は「極めて危険だ」と語り、バブルについて「非常に心配」していると述べていた。(ブルームバーグ Craig Stirling)

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