金融

仮想通貨はマスク氏の手中に? 採掘の団体設立合意、環境ルール策定も

 最大の暗号資産(仮想通貨)ビットコインの支持者である米電気自動車(EV)大手テスラのマスク最高経営責任者(CEO)らは24日、仮想通貨採掘(マイニング)会社の業界団体設立を目指すことで合意したと明らかにした。採掘に必要なエネルギー使用報告の国際的な標準化を目指す。このニュースを受け、急落していたビットコインは急反発し、一時1ビットコイン=4万ドル台に迫った。

 エネ使用の透明性

 米ソフトウエアメーカーのマイクロストラテジーのマイケル・セイラーCEOは同日のツイートで、「エネルギー使用の透明性」を協議するため、マスク氏や多くの採掘会社などが協議し、「エネルギー報告の標準化」に向けて「ビットコイン・マイニング・カウンシル」の設立に合意したと発表した。エネルギー使用の透明性を促進するとともに全世界で持続可能性の取り組みを加速するという。

 今回の協議にはマイケル・ノボグラーツ氏率いる仮想通貨投資会社ギャラクシー・デジタル・ホールディングスや上場企業のライオット・ブロックチェーン、ハット8マイニングなどが参加した。同社は「持続可能な採掘が可能であり、優先課題であることを市場に周知させる」取り組みに加わると表明した。

 また、マスク氏はツイートで「北米にいるビットコインの採掘会社と話した。彼らは再生エネルギー使用に関する現況と計画の公表に加え、世界の採掘会社にもそれを呼び掛けることにコミットしている。期待できそうだ」とコメントした。

 こうしたツイートを受け、23日に最大18%下落していたビットコインは24日、一時19%高の3万9944ドル付近に上昇した。

 仮想通貨はビットコイン採掘で大量のエネルギーが消費されることにマスク氏が懸念を表明したことを受け、過去2週間、荒い値動きが続いており、金融業界も仮想通貨の値動きの予測に苦慮している。

 金融当局は調査強化

 JPモルガン・チェースはリポートで、「最近のビットコイン下落トレンドの終わりを予測するのは時期尚早だ」とし、相場のモメンタムのシグナルや、ビットコイン・ファンドの買いが乏しい点などを理由に挙げた。一方、ゴールドマン・サックスはリポートで、極端な価格変動で機関投資家には魅力が低下すると示唆した。メドレー・グローバル・アドバイザーズはビットコインが2万ドルを大きく下回った場合に影響が広がるリスクを警告した。

 資産家マーク・キューバン氏のような著名人は、レバレッジを利用する一部投資家がポジション解消を余儀なくされるリスクを警告した。

 こうした中、米連邦準備制度理事会(FRB)のブレイナード理事は24日、バーチャル形式で開かれた仮想通貨に関する会合で講演し「プライベートマネーの新形態は消費者の保護や、規模次第では金融全体の安定をも脅かす新しい形のカウンターパーティーリスクを決済システムにもたらす可能性がある」と指摘。デジタル決済の需要が高まる中で、金融当局はデジタル通貨の調査を強化していると述べた。(ブルームバーグ Yakob Peterseil、Vildana Hajric)

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