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米予算要求が戦後最大の水準に 2022年度に660兆円、米メディア報道

 【ワシントン=塩原永久】米メディアは27日、バイデン米大統領が2022会計年度(21年10月~22年9月)の予算教書で求める歳出額が、6兆ドル(約660兆円)規模になると報じた。インフラ投資や教育・福祉拡充で歳出規模は戦後最大の水準となる。財源の手当てに法人税増税などを実施しても、今後10年間は1兆ドルを大きく上回る財政赤字が続くという。

 バイデン氏は予算教書のうち、政策的な判断で決める「裁量的経費」を4月に公表した。28日に残る「義務的経費」を含めた全体版を発表する。

 バイデン氏は「中間層重視」を掲げ、雇用増や賃金上昇につなげる成長戦略を提案した。インフラ整備や気候変動対策、幼児教育の無償化、高齢者福祉の拡充など、幅広い施策に多額を投じる方針を示している。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)などによると、成長戦略向けの支出増大により、31年度までに歳出額が8兆2千億ドルに達する。財政赤字は毎年1兆3千億ドル超で推移。22年度は1兆8千億ドルまで膨らむ。

 バイデン政権は財源として法人税率を21%から28%に引き上げ、富裕層にも増税する方針だが、それでも財政赤字が縮小傾向に転じるのは30年代に入ってからになる。連邦債務は24年度に国内総生産(GDP)比で戦後の最高水準を更新する見込みだ。

 一方、政権が提案した成長戦略がすべて実現しても、今後10年間の実質GDP成長率は平均2%を下回る予測だという。

 予算教書は一般教書や大統領経済報告と並ぶ「三大教書」の一つ。予算編成権を持つ議会が審議する際のたたき台となる。

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