金融

経営指針「人権の尊重」を明記 変わる国際基準、難しい対応

 上場企業が取るべき行動を定めたコーポレートガバナンス・コード(企業統治原則)に「人権の尊重」が加わる。欧米各国は投資家を含め人権への意識が高いが、日本企業の対応には遅れが目立ち、新たな経営リスクになりかねない。

 中国・新疆ウイグル自治区の人権問題では、米国と欧州連合(EU)などが中国当局者らに資産凍結などの制裁を科した。欧州議会は中国と大枠で合意した投資協定に関する審議の凍結を決めるなど厳しい姿勢を示す。

 米中対立の激化もこうした動きに拍車を掛ける。

 欧州各国では、企業に人権尊重を促す法整備が進む。英国は「現代奴隷法」で一定規模以上の企業に対し、事業に関連して強制労働や人身取引がないかどうかの報告書を毎年公表するよう義務付けている。フランスも事業活動に伴う人権侵害の調査と対応策を公表するよう義務付けており、人権対応は日本に大きく先行している。

 一方、スウェーデン衣料品大手H&Mなど一部の欧米企業は、ウイグル自治区での強制労働を懸念して新疆産の綿の不使用を決めたことで、中国での不買運動を招いた。中国市場への依存度が大きい日本企業も難しい対応を迫られそうだ。

 企業と人権の問題に詳しい高橋大祐弁護士は「企業がサプライチェーン(供給網)で働く人たちと対話し、人権に関する国際基準を順守することがリスク管理の観点からも必要だ。政府も企業の取り組みを支援、促進する仕組みをつくるべきだ」と話す。

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