知恵の経営

「健康食品業界の改革」や「無添加基礎化粧品の開発」も 「不」の解消に取り組む

 アタックスグループ主席コンサルタント・西浦道明

 今回は、第11回「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞で厚生労働大臣賞を受賞した横浜市にある化粧品・健康食品の研究開発、製造および販売などを行うファンケルを取り上げる。同社は1980年、池森賢二氏によって化粧品の通信販売業として創業された。「正義感を持って世の中の『不』を解消しよう」を理念に掲げ、一貫して社会課題の解決に取り組んできた、無添加化粧品やサプリメントのパイオニアだ。

 不の解消の1つ目は無添加基礎化粧品の開発。82年、無添加基礎化粧品を小瓶に詰めて販売した。そのきっかけは、池森氏が妻の顔の肌荒れがひどいことに気づいたことだった。調べると、後に社会問題にまでなった、化粧品に防腐剤などの添加物が含まれていた「化粧品公害」が原因だと分かった。しかし、同業他社は、防腐剤を入れないと保存が難しいため放置していた。

 そこで業界がやらない・やれない業界の非常識に挑戦し、傷まずに使い切れる、1週間分の量を5ミリリットルの小瓶に詰めて販売した。同社が発売した化粧品は、肌にトラブルを抱えていた多くの女性から高い支持を受け、創業からわずか2年で客の数は3万人を超え、売り上げも83年から85年の3年間でほぼ倍増した。

 不の解消の2つ目は販売方法。創業時から化粧品の通信販売をしている。通信販売のデメリットは、受け取り側の不在に起因する不便さや、配達ドライバーと直接会いたくない不安にあった。そこで92年、配送箱に郵便受けに投函(とうかん)できるポストサイズにし、受領印不要で届けるポストインを開始した。さらに97年には、日本で初めて「置き場所指定お届けサービス」を開始した。このサービスは、玄関前やガスメーターボックス、集合ポストといった客指定の場所に荷物を置くもので、これも受領印不要とした。これにより、配達ドライバーと対面の必要がなくなり、客の「不」の解消につながった。

 不の解消の3つ目は、健康食品業界の改革。94年、栄養補助食品の通信販売を開始した。当時、日本で販売されていた健康食品は非常に高く、利用者に不満があった。そこで「サプリメントは本来毎日取り続けてこそ効果が出るもの。人々の健康のために適正価格で販売できないか」と、価格破壊に取り組むことを決めた。原料には徹底的にこだわりつつ、中間マージンを削減した。これにより、高品質かつ低価格が実現でき、サプリメント市場が創造された。また、現在では当たり前のアルミ袋包装も、同社が日本に広めた。ちなみに、サプリメントという言葉を日本で初めて使ったのも同社である。同社は、世の中にある「不」の解消という社会課題の解決に取り組むことで、高い評価を得たのだ。

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【会社概要】アタックスグループ

 顧客企業1700社、スタッフ220人の会計事務所兼総合コンサルティング会社。「社長の最良の相談相手」をモットーに、東京、名古屋、大阪、静岡、仙台でサービスを展開している。

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