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「“怒”で議員給与2200万円」の野党が、万年野党から抜け出すためのFBIモデル (1/2ページ)

 コロナ失政で自民党の支持率は低下傾向だが、野党のそれが上がらないのはなぜか。コミュニケーション・ストラテジストで『世界最高の話し方』(東洋経済新報社)が12万部超のベストセラーになっている岡本純子さんは「コミュニケーションスタイルに問題があります。与党の揚げ足をとって怒りの感情をシャウトし攻撃するのみ。否定・批判偏重の手法は非アカデミックで古臭くて未熟であり、建設的な議論にもならないため人の心も動かせない」と指摘する--。

 「コロナ失政の自民党を野放し」野党の支持率が上がらないワケ

 政府のコロナ対策は迷走を続け、菅義偉首相の支持率も低下傾向にある。ところが、これだけの失政でも野党の支持率が上がる気配はない。与党もどうしようもないが、かといって野党も信用できない。しかたないから、布団かぶって我慢するしかないと国民はあきらめムードだ。

 これまで、筆者は、菅首相や安倍晋三前首相など政権与党のリーダーのコミュニケーションについていろいろ提言してきたが、今回は、視点を変えて、なぜこの状況で野党の支持が伸びないのか、そして、これからも彼らが万年野党であり続けるだろう理由をコミュニケーションの観点から考察していきたい。

 先日、家人の知人からコロナに感染したとの連絡を受けた。家人と濃厚接触の疑いもあるということで、慌てて、PCR検査を受けさせようと、調べてみると、私費で受ける場合は簡易的な検査であれば数千円で済むケースもあるが、通常は2~3万円かかるという。海外の多くの国では、無症状でも、いつでも公費ですぐに受けられる体制が整備されているのに、この国では、それも「自己責任でどうぞ」ということらしい。一部の医療機関はCMまで出して、この検査を商売の道具にしているが、まったくもって解せない話だ。

 コロナ患者を受け入れる医療体制の拡充も一向に進まず、水際対策もゆるゆる。ワクチン接種は遅れに遅れ、リーダーはしっかりと自分の言葉で国民に納得するメッセージを伝えられない。この体たらくに国民の心は不満と不安と不信感で爆発寸前だが、じっと耐え忍んでいる。国民が与党を見限り、政権交代が起こってもおかしくない状況なのに、なぜか世論はあまり、そちらの方向に動いているようには見えない。

 野党議員の話し方を一文字で表現すると「怒」

 なぜなのか。その大きな要因が、現野党のコミュニケーションスタイルだ。彼らはやり方が決定的に間違っていることに気づいていない。いや、気づいていても変えることができない。彼らがこのやり方を続ける限りは、政権交代などありえない。詳しく述べていこう。

 例えば、野党の立憲民主党や共産党の議員の話し方を一文字で表現してください、と言われたら、皆さんは何と答えるだろう。「怒」。これが多くの人の回答ではないだろうか。彼らは国会でもメディアの会見でも、男女を問わず、目を三角にしていつも怒っている。

 労働組合の「アジる」が原型でやたらと叫び攻撃的

 そもそも、そのスタイルが、労働組合の「アジる」を原型にしているからか、やたらと叫び、攻撃的だ。実際、ある野党議員経験者は筆者にこう認めた。

 「何かにコメントする時も、与党や政権をこき下ろしてけなすことに終始し、国会でもただ、ひたすらに攻撃する。そのやり方が染みついており、ほかのやり方を知らないんです」

 「まさに労使交渉の労働組合の手法そのもので、例えば、選挙の出陣式も、自民党のやり方とは全く違うシュプレヒコール型です。労働者側が雇用者に向かって詰め寄る、気勢を上げる、賃上げを要求するというように、原点が抗議であり、プロテストでしかない」

 結局は自らが建設的かつ能動的に動くというよりは、与党の行動を否定し、攻撃する。「受け身で揚げ足を取ることしかできない」というわけだ。ある霞が関官僚もため息交じりに言う。

 「野党議員の多くが『そんな考えだからダメなんだ。だから変えようと言っているのだ』と否定から入り、対決姿勢で物言いをするんですよね。感情的なトーンでは、建設的な議論ができない」

 若者が野党の「コミュ障」的なふるまいを毛嫌いする

 野口雅弘成蹊大学教授は、「『コミュ力重視』の若者世代はこうして『野党ぎらい』になっていく」という論考の中で、「コミュ力を重視する若者世代はスムーズな空気に疑問を呈したり、ひっくり返したりする振る舞いを『コミュ障』的なふるまいとし、毛嫌いする」と分析している。

 これは、強い物言いをすることに対して「○○ハラ」といった批判が集まったり、お笑い芸人の中で人を傷つけずに笑いをとろうとする動きが出てきたりして、誰かを強く批判、攻撃することに嫌悪感を覚える人が増えていることにも呼応する。

 そもそも野党とは、「抵抗勢力」であるとの考え方もあり、与党の方針に異議を唱えることには問題はない。しかし、今の野党のその「抵抗」の手法はあまりに古臭く、未熟だ。

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