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レナウン下請けで新会社 高い技術継承、独自ブランドに挑戦

 経営破綻したアパレル大手レナウンの服飾生産を支えた宮崎県日南市の下請け3社が共同で、新会社「宮崎ファクトリー」を設立した。存続が決まった「ダーバン」など高級ブランドの生産を引き継ぐ一方、事業拡大に向け、独自ブランドでのオーダーメードスーツ販売にも挑戦する。

 山林に囲まれた工場で5月中旬、従業員ができたばかりのスーツに仕上げのアイロンを掛けていた。工場内には全国の百貨店へ出荷する商品が並ぶ。「1年前、ダーバンを支えてきた縫製技術が途絶える可能性もあった」。宮崎ファクトリーの荒木幸三社長(45)はこう振り返る。

 レナウンはダーバンのほか「アクアスキュータム」など多くの有名ブランドを展開し、日本のアパレル業界を牽引(けんいん)してきた。1974年に日南市に子会社「ダーバン宮崎ソーイング」を設立。仕入れた生地を同社が裁断し、地元の協力会社が縫製を下請けする体制ができ、裾野は鹿児島県にも広がった。

 だが、ファッションの多様化が進みレナウンの業績は悪化。新型コロナウイルス感染拡大に伴う販売減少が追い打ちをかけ、2020年5月以降、ダーバン宮崎とともに民事再生手続きに入った。

 協力会社の「日南トローザーソーイング」の大磯貴弘社長(53)は「当初は(レナウンの)支援企業がすぐに決まるだろうと楽観視していた」と話す。だがスポンサーは現れず、最終的にブランドは切り売りされ、レナウンは清算されることになった。

 出荷が止まり、日南トローザーなど協力会社3社も休業を迫られた。計約150人の雇用不安も浮上したが、ダーバンなどのブランドを引き継いだ企業から技術力を評価され、改めて製造を請け負うようになった。

 3社は昨年9月に宮崎ファクトリーを設立。ダーバン宮崎を解雇された職人ら40人を再雇用し、生産設備も買い取った。最盛期に年間約20万着に上ったスーツ生産は現在4万着程度のペースだが、新たな経営体制になったのを機に百貨店向けだけでなく、オーダーメードスーツの販売も始めた。

 「日本人の骨格に合う生地加工が強み」と、荒木社長は話す。今春には地元高校の卒業生に手頃な値段で販売。今後、地元企業への営業も始める計画だ。有名ブランドにはまだ及ばないが、自社ブランドの育成にも力を入れる。

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