JCサービス JCサービスは5月27日、東京地裁から民事再生の開始決定を受けた。
太陽光発電システムの開発やバイオマス発電開発などを手掛け、2016年11月期は売上高62億1605万円を上げていた。しかし、17年11月期は案件の減少から、売上高は57億6527万円にとどまるなど事業拡大に陰りがみえ、国内バイオマス発電事業や海外の水力発電事業などに注力していた。また、新型コロナウイルスの影響で、開発工程の進捗(しんちょく)に遅れが生じるなど業況が悪化した。
今年3月8日には、子会社のグリーンインフラレンディング(東京都港区)が、maneoマーケット(同千代田区)から東京地裁に破産を申し立てられた。JCサービスも債権者から破産の申し立てられる懸念があったため3月24日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し同月31日、保全処分および包括的禁止命令を受けていた。
則武地所 則武地所は5月13日、横浜地裁相模原支部に破産を申請した。
神奈川県の県央地区や東京都八王子市などを対象エリアに展開する建築工事業者。近年は地主の資産運用としてニーズが高い共同住宅を主体に建築工事を請け負っていた。2015年4月期は売上高6億5970万円だったが、需要増を追い風に17年4月期は売上高20億5104万円にまで拡大していた。
しかしその後、関連業界での不正融資問題や施工不良問題が社会問題化するなどしたことから、受注環境が次第に悪化。20年4月期は売上高9億7848万円に落ち込み資金繰りも逼迫(ひっぱく)、取引先に対する報酬未払いなどで訴訟問題も抱えていた。
こうしたなか今年4月には、同社が施工した八王子市内のアパートの外階段が崩落して住人が死亡する事故が発生。警視庁から業務上過失致死容疑で関係先が家宅捜索を受け、注目が集まっていた。
【会社概要】JCサービス
▽本社=大阪市西区
▽設立=2003年3月
▽資本金=2億7315万円
▽負債額=153億4285万円
【会社概要】則武地所
▽本社=相模原市中央区
▽設立=2011年12月
▽資本金=500万円
▽負債額=4億418万円 (2020年4月期決算時点)
〈チェックポイント〉
関係会社が債権者から破産を申し立てられたJCサービスは、自社も破産を申し立てられることを回避するため民事再生に踏み切った。同社と関係会社との間で不正行為があったとする債権者側の主張を真っ向から否定。今後は民事再生で事業を継続しながら案件を進め、債権者への返済の最大化を図るとしている。
則武地所は家宅捜索を受けて、注目を集めた矢先に破産を申請し、国土交通相が苦言を呈する事態にまで発展した。近年は受注不振が続き、資金難が表面化していた。崩落事故と経営悪化との間に因果関係があったのか、事故の本質的な原因は何だったのか。破産手続きと警察の捜査の両面から検証する必要がある。(東京商工リサーチ常務情報本部長 友田信男)