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中国共産党の新人事 「七上八下」のルール破られると…

 中国共産党の第20回全国代表大会の開催までまだ1年以上あるが、早くも新人事の憶測が活発化している。焦点となるのは「七上八下」、すなわち最高指導部のメンバーは、党大会時の年齢が67歳以下であれば留任、68歳以上であれば離任という暗黙のルールの扱いである。習近平政権は既に国家主席の3選禁止規定を憲法から削除するなど、従来の人事ルールを変更してきただけに、撤廃となる公算が大きい。(拓殖大学名誉教授・藤村幸義)

 このルールが撤廃されなければ、政治局常務委員では、習近平、栗戦書、韓正の3氏が外れなければならない。だが、習氏の続投は事実上決まっているし、韓正氏についても続投の観測がある。

 さらに党主席制を復活させ、習氏がそのポストに座る可能性もある。これまで政治局常務委員は、採決で同数となるのを避けるために、奇数だった。しかし習氏が党主席として全権を握れば、あえて奇数にこだわる必要もなくなってくる。

 一方、李克強氏は68歳には達しないが、憲法で首相は2期までと定められているので、首相ポストは去らねばならない。政治局常務委員としても、4期目となるのを理由に、残留できない可能性が高い。

 首相の後任人事にも、関心が集まる。副首相の胡春華氏が最近、珍しく習近平氏の地方視察に同行したことが注目されているが、次期首相に決まったと断定するには早すぎる。

 4人いる副首相では、韓正、孫春蘭、劉鶴の3氏が本来ならば、年齢制限に引っかかる。加えて胡氏が首相に昇格すれば、4人全員を替えねばならない。だが、「七上八下」ルールを撤廃してしまえば、誰かが残る可能性も出てこよう。

 これまで全国人民代表大会(全人代)や全国政治協商会議の常務副委員長・副主席クラスから政治局に入ってくるケースはほとんどなかったが、今回はそれも破られそうだ。

 その一例として、全国政治協商会議副主席兼国家発展改革委員会主任の何立峰氏が政治局入りするかもしれないとの観測が出ている。何氏は福建省で習近平氏と長期にわたってともに働いたことがあり、関係が深い。このため副首相に就任して、経済関係の司令塔になる可能性もあるという。

 だが、人事ルールを頻繁に変えるのは、好ましいとはいえない。とりわけ個人崇拝をもたらすような仕組みは、必ずや将来に禍根を残すであろう。

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