現場の風

脱炭素に貢献、売上高50億円以上を 日立ABB HVDCテクノロジーズ会長兼CEO 西岡 淳さん

 --世界で脱炭素に向けた動きが加速してきたが、再生可能エネルギーを需要地まで安定的に供給するHVDC(高圧直流送電)の需要はどうか

 「特に欧州で、国と国をまたぐ電力の広域連系や洋上風力発電を消費地まで送り届ける長距離送電の需要が高まっている。海底ケーブルを使う場合は、数百キロ以上の長距離送電ができるHVDCへの期待は大きい。最近は陸地でもHVDCを導入する動きが増えている。欧州や中国、北米、中南米で引き合いが多い」

 --HVDCのメリットは

 「交流の長距離送電は、鉄塔でつなぐ架空送電線が必要になる。HVDCはケーブルで送電するため、鉄塔のスペースを確保する必要がなく、コストを削減できる。景観も維持できる。交流系統にHVDCを並行設置すれば、電圧を安定化する効果もある」

 --昨年に日立ABBパワーグリッドが設立されたが、どのような体制で、事業展開しているのか

 「日立ABBパワーグリッドには約3万6000人の従業員がいる。全世界に工場が約100カ所、営業拠点が約200カ所ある。HVDC事業に約2000人が携わっている。国内向けの合弁会社でもある当社は約50人体制で事業展開している」

 --国内でも大規模な再生可能エネルギーのプロジェクトや電力の広域連系の動きも出ている

 「再エネのHVDCで日本は周回遅れだが、脱炭素化の動きが加速しており、これから増えてくると思う。大規模なプロジェクトの受注を獲得したい。将来的に50億円以上の売上高を目指したい。HVDCは脱炭素に貢献できるキーとなる技術の一つで、政府や関係機関とも協力し、カーボンニュートラル(排出量実質ゼロ)の実現を目指したい」

                   ◇

 にしおか・あつし 北大卒、1991年に日立製作所入社。電力の監視制御や系統安定化、HVDC(高圧直流送電)、スマートグリッドなどのシステムを幅広く担当してきた。2015年から現職。北海道出身。

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