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中国、SNS「英雄侮辱」で摘発続く 言論統制に活用

 中国で英雄を侮辱したとしてインターネット利用者が摘発されるケースが相次いでいる。3月に英雄侮辱を処罰する改正刑法が施行されたのが一因。海外での拘束を試みるなど強引な取り締まりが目立ち、言論統制の手段となっている。

 江蘇省南京市の裁判所は5月末、昨年起きたインド軍との衝突で死傷した中国軍の「英雄」を短文投稿サイト「微博(ウェイボー)」で侮辱したとして、著名ブロガーに懲役8月の実刑を言い渡した。英雄の名誉を傷つけた場合に最高で懲役3年となる改正刑法で逮捕された初の事案だった。

 中国の農業研究者、袁隆平氏が5月に死去した際も、同氏を侮辱したとして多くの微博利用者が拘束された。袁氏は食料事情を改善し習近平国家主席が表彰したこともある人物。当局は「ネットは無法地帯ではない」と盛んに宣伝している。

 米国永住権を持つ中国出身の男性(19)は4月、米国に向かう経由地のアラブ首長国連邦(UAE)で一時拘束された。米政府系のラジオ自由アジア(RFA)などによると、中国当局はインド軍との衝突で勝利したとの公式見解に疑問を呈した男性を指名手配し、UAEに身柄の引き渡しを求めていた。

 また北京市の公安当局は3月、不動産開発大手「SOHO中国」の会長、潘石屹氏の息子が昨年6月に軍の英雄を侮辱する投稿をしたとして指名手配した。9カ月前の投稿を理由に刑事責任を問うのは不自然で、物言う企業家として知られる潘氏の影響力排除を狙う指導部の意向との観測が出ている。

 中国メディア関係者は「誰が『英雄』かを判断するのは当局。習氏ら指導部について発言することはますます危険になった」と指摘した。(北京 共同)

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