金融

米・EUがWTO改革合意、中国の不当利用を排除 首脳会議で表明へ

 米国と欧州連合(EU)は15日にブリュッセルで予定している首脳会議で、中国が世界貿易機関(WTO)ルールを不当に利用しているとして、WTO改革で、こうした不当な利用を排除することで合意したと発表する。ブルームバーグ・ニュースが共同声明の草案を確認した。また、米、EUはトランプ前米政権下で悪化した関係を修復し、鉄鋼や航空機などをめぐる貿易紛争の早期解決を目指すことも表明する。

 対露でも強固に連携

 バイデン米大統領は9日、記者団に対し、英コーンウォールでの主要7カ国(G7)首脳会議(サミット)など一連の外遊の目的について「欧州との同盟を強化し、ロシアのプーチン大統領と中国に欧米の強固な連携をはっきり示すことにある」と説明した。

 米EU首脳会議では、WTOの現行ルールを巧みに利用しようとする国による不公平な行動を排除するため、WTO改革に向けて取り組むと表明する。

 中国に対しては、WTOに加盟して以降20年間にわたってルールを不当に利用し、ロボット工学や航空機、電気自動車(EV)といった分野で支配的な企業を生み出すため国として5000億ドル(約55兆円)もの支援を行ってきたとの批判がある。米国が2020年にまとめた報告書では、中国の産業計画は供給過剰を招く可能性が高く、西側諸国としては雇用と生産の喪失につながると指摘している。

 声明草案では、米国とEUは「産業補助金や国有企業による不公平な行動、また貿易や市場を歪めるような慣行に対応するため、WTOの規定をより有効な内容に改訂する」としている。ただ、草案の内容は確定しておらず、変更される可能性もある。

 産業補助金を抑制

 中国による産業補助金の抑制を目的としたWTO規定の大規模刷新は、同国がWTOに加盟して以来で最も重要な国際貿易ルールの書き換えに向けた一歩となり、世界の貿易制度における新時代を告げる可能性がある。

 米国とEUにとっての第一歩は、180億ドル規模の輸出に課した報復関税を撤廃し、双方の通商問題をめぐる対立を解消することだ。声明草案では、米国とEUは年内に鉄鋼・アルミニウム関税を撤廃し、20年近くにわたって続く航空機メーカーへの補助金をめぐる紛争の解決についても、7月11日までに解決策を見いだす方針を示す。

 EUの行政執行機関に当たる欧州委員会のドンブロウスキス副委員長(通商担当)は9日に欧州議会で、「EUと米国の通商紛争を好転させる必要がある。航空機、および鉄鋼・アルミニウムの問題に関する2国間紛争の解決に向け、決定的な進展を望む」と強調した。

 一方、米国とEUは新型コロナウイルスの起源について相反する見方が出ていることを受けて、発生源を調査する新たな取り組みを支持する。声明草案では「起源について透明性があり、証拠に基づいた、世界保健機関(WHO)主導の専門家中心による第2弾調査を干渉を受けずに進めることを求める」としている。(ブルームバーグ Bryce Baschuk、Alberto Nardelli)

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