自動車

日産、低迷する国内販売で巻き返し 世界的な半導体不足がリスクに

 日産自動車は、新型の電動車の投入で、低迷する国内販売で巻き返しを図る。独自技術「e-POWER(イーパワー)」を搭載したハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)で反転攻勢したい考えだ。ただ、世界的な半導体不足は生産や販売に暗い影を落とし、悲願のブランド復権が遠のくリスクも消えない。

 日産は昨年5月、1年半で12モデルの新型車を投入すると宣言。重要市場の一つと位置付ける日本市場では、HV専用の小型スポーツ用多目的車(SUV)「キックス」、小型車「ノート」を相次いで発売した。

 しかし、長らく車のモデルチェンジが遅れていたことが響き、2012年3月期に13.8%だった市場シェアは21年3月期に10.3%まで低下した。

 日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会がまとめた5月の車名別新車販売の上位10車種は、トヨタ自動車が半数を占め、日産は一車種も入っていない厳しい状況だ。

 今年秋に発売予定のHV専用の小型車「ノート オーラ」は通常のノートと比べ出力が18%向上したほか、防音特殊フィルムの採用などで静かなゆとりのある走りを実現。

 「上質さを追求し、新しいポジショニングを狙っている」(遠藤智実・商品企画部日本商品グループ主管)といい、輸入車が優位に立つ250万~300万円の高価格帯の小型車市場を開拓したい考えだ。

 ただ、世界的な半導体不足が生産や販売にもたらす影響は大きい。日産は22年3月期に年間25万台規模の減産を見込む。

 最大航続距離610キロで、高速道路の同一車線で手放し運転ができる運転支援技術「プロパイロット2.0」も搭載するSUVタイプの新型EV「アリア」の投入時期も当初予定していた今年中ごろから冬にずれ込んだ。

 日産は22年3月期に3年連続の最終赤字を見込む。新型車の投入が再び滞れば、業績回復の足かせになりかねない。(宇野貴文)

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus