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AIで需要先読み納品実現へ トラスコ中山、ベンチャー2社・名大と連携

 機械工具専門商社のトラスコ中山は15日、顧客の需要を人工知能(AI)で先読みして商品を配送する即納システム開発で、AIベンチャーのシナモン(東京都港区)、ロボットベンチャーのGROUND(グラウンド、同江東区)と資本業務提携したと発表した。研究開発で名古屋大学とも産学連携協定を結んだ。

 新システム実現に向け、トラスコは新たな物流センターを愛知県北名古屋市に建設する。総投資額は200億~250億円を見込み、2024年の稼働開始を目指す。トラスコ中山はシナモン、GROUNDにそれぞれ月内に5億円ずつ出資する。

 まず納品先の企業の生産状況や季節、天候、在庫、物流管理などに関する情報を一元的にデータベース(DB)化。AIがその情報を逐次分析し、顧客が必要とするタイミングを先読みして工具など工業用副資材を届ける仕組み。これに名大が持つ自動運転や協奏ロボで培った研究開発成果を生かす。

 顧客にとっては副資材の在庫を切らすことがなくなるため、生産遅延のリスクが回避できる。物流業界は人手不足や残業抑制などの働き方改革への対応に迫られている。トラスコにとっても、AIを使った物流施設の効率運営で、こうした課題の解決につなげる。

 同日、東京都内で会見したトラスコの中山哲也社長は「4者でスクラムを組んで、業界最速、最短、最良の納品を実現させ、日本のモノづくりの役に立ちたい」と意気込みを語った。

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