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トヨタ株主総会で脱炭素実現へ決意鮮明 業績回復堅調、IT人材も強化

 トヨタ自動車は16日、愛知県豊田市の本社で定時株主総会を開いた。世界的な半導体不足の影響が自動車業界に広がる中、海外市場の持ち直しを背景に新型コロナウイルス禍から堅調な回復を見せるトヨタは、脱炭素などへの対応も迫られている。豊田章男社長は「意志と情熱を持って行動する」と株主に宣言した。

 トヨタの2021年3月期連結決算は、売上高が前期比8.9%減の27兆2145億円、最終利益は10.3%増の2兆2452億円。22年3月期は増収増益を見込む。

 総会はコロナ感染防止のため例年よりも規模を縮小して開かれた。経営陣は業績回復の見通しに加え、脱炭素などに向けた取り組みについて説明。議題には取締役9人の選任など3議案を取り上げ、賛成多数で可決された。

 トヨタは自動車の走行時の二酸化炭素(CO2)排出削減に向けて、ハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)、燃料電池車(FCV)などの世界販売を30年に800万台とし、うち200万台をEV、FCVとする目標を掲げる。

 このほか、CO2を排出しない上に、既存のエンジンを活用できる水素エンジン車の開発にも乗り出すなど環境対応車の選択肢の拡大も模索する。

 総会に先立ち、11日には全世界の工場でのCO2排出量を実質ゼロにする目標の達成時期を従来の50年から35年に前倒しすることも表明した。

 「(CO2排出を実質ゼロにする)カーボンニュートラルは生産工程においても達成していくのが当然」(岡田政道執行役員)とし、生産手法の工夫で排出削減を加速させたい考えだ。

 自動車業界では、自動運転や環境対応で重要度が増すソフトウエアをめぐる開発競争も激化しており、技術への投資や人材面の強化も求められる。

 トヨタの22年3月期の研究開発費は前期比6.4%増の1兆1600億円に上り、過去最高となる見通しだ。

 22年春の新卒採用では、IT分野など幅広い人材を確保するため、理系の大学や大学院の推薦を廃止。大卒、大学院修了の技術職はIT系の割合を21年春の2割から4~5割に拡大することを決めるなど、「100年に1度の変革期」と言われる自動車業界への対応を進めている。(宇野貴文)

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