メーカー

宣言解除「緩み」に警戒 テレワーク低調、酒解禁の飲食店も

 新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言が20日を期限として9都道府県で解除された場合、懸念されるのは気の緩みによる感染「第5波」の到来だ。これまでテレワーク実施率は政府の目標に届いておらず、一部では宣言解除前から飲食店での酒類提供が加速する兆しもある。ただ、企業活動への厳しい制約が続けば経済にとっては逆風で、個別の感染防止策を踏まえた柔軟な対応を求める声もある。

 政府は人の流れを抑制する策として企業に出勤者の7割削減を求め、テレワークを推進した。しかし日本生産性本部の被雇用者を対象にした調査では、テレワーク実施率は昨年5月の段階で3割強。その後の浸透が期待されたが、実施率は低調に推移し、今年4月は19・2%にとどまった。

 こうした事情は駅の混雑にも表れている。国土交通省によると、主要駅の利用状況は昨年春にコロナ禍前の水準の3割程度まで激減したが、夏には7、8割まで戻り、その後はお盆や年末年始を除き、6割超の水準が定着している。

 また、今回の緊急事態宣言下の自治体などでは飲食店での酒類提供が事実上禁止されたが、協力金の支給の遅れなどを背景に“解禁”に踏み切る店もある。21日から「蔓延(まんえん)防止等重点措置」に移行する地域では、原則として時間を限った酒類の提供が認められるが、自粛疲れでルールがなし崩しになる可能性もある。

 いちよし経済研究所の鮫島誠一郎首席研究員は、ワクチン接種のペースから、12月から来年1月ごろに経済活動が以前の水準に回復すると予測。一方、感染拡大のサイクルから「今年8月ごろに次の感染の波が来る可能性もある」とみる。

 ただ、気の緩みを避けようと、重点措置対象地域での酒類提供が知事判断で停止されるなどすれば、外食産業にとっては打撃だ。

 居酒屋を展開する鳥貴族ホールディングスは現在「安全のため」として全直営店の9割を休業。今後の営業は「基本的に要請内容を確認してから決める」と気をもむ。宣言対象地域などで居酒屋を休業している外食大手ワタミも「営業するとしても食材や人の手配に準備が必要だ」と明確な方針を示せずにいる。

 全国酒類業務用卸連合会の担当者は「きちんとした基準で安全性が認められた飲食店は制限を和らげるなど、店の実態に応じた規制が妥当ではないか」と話している。(加藤園子)

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus