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英国が新型コロナウイルスの規制解除を延期 変異株拡大ワクチン接種も足踏み

 【ロンドン=板東和正】新型コロナウイルスのワクチン接種により深刻な感染状況から脱した英国が、感染力の強いインド変異株の感染問題に直面している。ワクチン接種者数の増加速度もやや落ち込みぎみで、英政府は規制解除の計画延期に追い込まれた。

 ジョンソン首相は14日、イングランド地域で今月21日から計画していた規制解除を、7月19日に約1カ月延期すると発表した。当初計画では、今月21日に娯楽施設の営業を解禁するほか、バーやレストランの人数制限の解除なども行い、ほぼ全ての社会的規制がなくなる予定だった。

 しかし、英国では新規感染者の約9割がインド株による感染で、減少傾向にあった新規感染数は増加傾向に転換した。今月1日に約3300人だった新規感染者数は、17日に約8800人となり2・5倍以上に膨れ上がっている。

 ジョンソン氏は14日、規制解除の延期などの措置を講じなければ、数千人が新型コロナ感染で死亡する恐れがあると強調。延期することで「多くの命が救える」と国民に理解を求めた。

 英政府はこの延期期間を活用し、ワクチン接種を加速させる考えだ。40歳以上に推奨してきた1回目と2回目の接種間隔を12週間から8週間に短縮する方針。成人の6割近くが2回目の接種を受けているが、接種の広がりは鈍化傾向にある。

 英統計サイト「アワー・ワールド・イン・データ」によると、英国での100万人当たりの接種回数(7日間平均)は5月下旬に8千回台で推移していたが、6月14日は6818回に減少。若い世代を中心に安全性の理由から接種を拒む市民が増えているとの指摘もあり、政府は若年層の接種を促進したい考えだ。

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