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中国での特許法「改正専利法」施行 狙いは特許活用か

 中国特許法(専利法)の12年ぶり4度目の改正がなされ、6月1日に施行された。在中国20余年、バード&バード法律事務所北京の道下理恵子パートナーに、改正の背景や狙いを分かりやすく説明してもらった。

 --12年前と比較すると、今の中国は年間特許出願149万件、登録53万件と、規模は世界一に成長した

 「国民に特許をたくさん取らせてきたが、特許が国の発展、企業の事業に寄与しているのかを問う段階に来た。現在、中国政府の大目標は特許活用に置かれており、今改正の多くがこの目標達成に関係している」

 --活用とは特許の売買やライセンス取引のことか

 「そうだ。国が近年打ち出した“1+2+20+N”は北京、珠海と西安の知財運営会社20社を重点支援し、特許活用情報の提供などで知財取引活発化を促す実証プロジェクトだ。今改正で特許活用支援プラットフォームの構築・強化が入り、国全体へ拡充される。Nとは無限。開放特許は増え、日本企業も利用可能になるだろう」

 --西安市は軍事関連機関も多い都市だ

 「医薬分野に限らず軍関係の特許活用、商業化は今後進む。今改正で国の研究機関や大学の特許権処理促進がうたわれ、国有資産流出の罪を恐れていた各機関は保有特許が活用しやすくなった。中国では一般に職務発明の報奨金は低いが、今改正で現金以外に株式や配当を認定。中国が弱い、基礎研究者の育成につながる」

 --特許活用は本来、特許の質に左右されるはず

 「確かに中国特許の質は疑問視されてきた。今改正では、権利化過程に不合理な遅延があった場合や新薬の発売承認審査に補償(特許期間延長)を認めたが、質向上のための改正は入らなかった。逆に中国特許庁の内部方針は審査迅速化の方向。現在は審査に2年から5年かけているが、今後は2年以内に終わらせることを決めたようだ。審査官のノルマが増え、中国特許の質はさらに落ち、特許無効審判の増加が懸念される」

 --日本企業は特許侵害対応に注目していたが

 「侵害で得た違法所得に対する懲罰的賠償基準が4倍から5倍に引き上げられた。日本企業に対し、これを成果という法律家もいるが、例えば訴訟証拠調査の難しさを減らす改正はなく、原告の負荷は変わらない。日本企業にとって特許は得やすくなり、特許活用という国家プロジェクトの波にも乗りたいところだが、今後は特許有効性の分析が重要になってくるだろう」(知財情報&戦略システム 中岡浩)

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