金融

みずほ銀行、相次いだシステム障害 脆弱性を直視しない体質が課題  (2/2ページ)

 また、2月28日の障害では最初のエラーが発生してから25分後の午前10時15分には関連部署に一斉メールが送られたが、重大性の認識が甘く、「行外に軽微かつ限定的な影響を及ぼす障害」のレベルと判定された。このため情報共有の範囲が狭まり、藤原弘治頭取は午後1時半にネットニュースで事態を把握。本部が顧客対応のために営業店に出勤を指示したのは午後2時25分、具体的な対応策を明確に指示したのは午後5時半と後手に回った。

 問題の本質は株主すら懸念を訴えたシステムの脆(ぜい)弱(じゃく)性から目を背け、課題解決を先送りし続けた組織体質にある。維持管理費がかさむATMは銀行にとって“金食い虫”で、利用客の利便性向上へ積極的に動く動機は薄かった。手数料収入が見込める富裕層向けサービスなどを優先し、「顔のみえない顧客」を軽視してこなかったか。再発防止には、過去の経営姿勢に対する真(しん)摯(し)な反省が不可欠だ。 (高久清史)

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