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三洋化成工業社長 ペプチドで日本の農業を変える

 三洋化成工業社長・樋口章憲さんに聞く

 --18日付で社長に就任した

 「優秀な社員たちが能力を十分に発揮できるよう、環境を整備するのが私の役割だ。例えば新規事業の若手リーダーが、事業会社を設立し社長となって業容拡大を図るなど、チャレンジしやすく、夢を持って仕事することが重要だ。社員だけでなく取引先などステークホルダーが『わくわくする』会社にしていきたい」

 --今年10月、次世代型リチウムイオン電池「全樹脂電池」の工場が本格稼働する

 「まずは無人潜水艇や無人飛行機など特殊用途向けの販売から始める。安全性や大容量化しやすいなどの特徴を考えると太陽光や風力発電など再生可能エネルギー用の蓄電池市場で優位性を出せる。事業参入時は、特に電池の信頼性が重要となるため、用途を限って実績を積み重ね、ブランド力を向上させて価格競争に陥らない市場を創造していく。2026年に売上高900億円を目指す」

 --宮崎県新富町と農業分野で連携協定を結んだ

 「アミノ酸化合物の『ペプチド』を使って野菜や果物など付加価値の高い農作物を開発し、日本の農業を変えていきたい。今年3月に資本業務提携したファーマフーズなど数社と連携しペプチド農業のプラットフォーム(事業基盤)をつくる計画だ。同事業でライセンス料収入を含め26年に100億円の利益を生み出したい」

 --コロナ禍で得たことは

 「社会が大きく変化し、既存事業を含め新しいことを始める絶好のチャンスと捉えている。化学メーカー数社とさまざまな業種のユーザーをマッチングさせる化学品に特化したサイトを年内には立ち上げたい。化学メーカーが持つ多様な技術や製品を動画で分かりやすく紹介し、より幅広く社会に知ってもらい応用してもらうことで多様な課題解決につなげていくことが狙いだ」

【プロフィル】樋口章憲 ひぐち・あきのり 東京理科大院修了。1984年三洋化成工業入社。取締役などを経て2020年6月代表取締役執行役員副社長。21年6月18日から社長。三重県出身。

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