東芝は25日、東京都内で定時株主総会を開催。昨年の株主総会で、「物言う株主」の議決権行使などを妨害したとされる問題をめぐり、焦点となっていた取締役の選任案について、永山治取締役会議長と小林伸行監査委員会委員の再任が否決された。
東芝は同日午後、可決された取締役9人の新体制による取締役会を開き、各委員会の人選などを行い、今後の方針について協議する。元々、新たに社外取締役を迎え入れるため、後日、臨時株主総会を開催することを決めており、この場で否決された2人の補充を行うかなどについても話し合うとみられる。(【再任焦点で始まった】東芝、株主総会で株主妨害問題を報告)
東芝の株主総会をめぐっては、今月10日に公表された外部弁護士による調査報告書が、昨年の定時株主総会について、東芝と経済産業省が株主提案権や議決権の行使を事実上妨げようと画策したなどとして「運営が公正とはいえない」と認定した。(【株主総会開催】議決権「妨害問題」で東芝社長「真摯に受け止めている」)
報告書では今年2月に東芝の監査委員会が「不当な干渉に関与したことは認められなかった」と判断したことも問題視され、東芝は13日に監査委員会委員長の太田順司氏ら社外取締役2人の退任を発表。取締役選任案を変更するという異例の事態となった。(【株主総会問題受け】東芝、車谷前社長らの報酬留保)
ただ、指名委員会委員長も務める永山氏が選任案に残ったことから退任を求める声も上がっていた。永山氏は混乱した現状を「正常化させることが私の責任だ」と述べ、株主総会で判断を仰ぐ考えを示していた。