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木材高騰「ウッドショック」 中長期的な「国産回帰」への期待も

 輸入木材価格の高騰で、国産材への代替需要が当面活気づきそうだ。国内の林業・木材産業関係者からは中長期的な「国産回帰」への期待も出ている。慢性的な人材不足の解消や、安定的な供給につながる需要の確保が鍵となる。

 日本の木材自給率は2010年の26.3%から19年には37.8%と、9年連続で上昇した。戦後植林された人工林が利用期を迎えたことなどが背景にあり、政府は自給率のさらなる拡大を狙う。

 林業従事者は比較可能なピーク時の1980年の約14万6000人から減り続け、2015年は約4万5000人。中長期の供給力強化には人材確保や増産投資が急務となる。ただ、木材流通の「川上」に位置する林業関係者には、国産材への旺盛な需要が長続きするのかどうかへの懸念もある。「川下」の住宅メーカーなどがいったんは国産材にかじを切っても、輸入材価格の安定後も国産材を使い続けるとの確証が持てないためだ。

 秋田県森林組合連合会の笹村守参事は「原木や製材価格は上がっている」と歓迎しつつも「人手不足で急な増産には対応できず、森林所有者まで恩恵は及びにくい」と話す。宮崎県木材協同組合連合会の日高和孝専務理事は「国内の住宅着工が伸び悩む中、米国の木材需要バブルがいつ弾けるか分からず、安易な投資はできない」と慎重だ。

 林野庁は「安価な輸入材に勝てなかった国産材に追い風が吹いている」とみて、新規就業者への支援や機械導入による生産性向上など、林業の競争力強化を進める。

【用語解説】国産木材の利用

 日本は国土の3分の2を森林が占め、戦後に植林された人工林の多くが利用に適した時期を迎えている。2019年の建築用材の自給率は、製材が51.0%、合板が45.3%となっており、約半分を輸入に頼る構造だ。政府は、適正な利用と伐採の循環が地球温暖化対策につながるとして、店舗や中高層建築物など住宅以外でも木材利用を推進する計画を示している。

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